Heart 〜心 いのち キモチ〜 By コードブルー

42 白石side ページ42

『あ、じいちゃん？
うん、そう！A！
ごめんね〜連絡全然してなくて！』


あの後、少し談笑して
藤川先生が控え室を出ていくと、

"あ〜昔話してたら、
じいちゃんの声聞きたくなっちゃったっ"

そう言ってAちゃんは携帯を手に取り、
島のおじいちゃんへ電話をかけた。

彼女を見ると、
優しい表情、穏和な口調で話している。
きっと、おじいちゃんが
Aちゃんの安定剤なんだろうな。
そう感じさせるくらい
いつもより、更に暖かい雰囲気をしていた。



Aちゃんが話してくれた
幼少期のこと。

そんな過去があったなんて
すごく驚いたし、
そんな過去がありながら
強く、優しくあり続ける彼女。


きっと、
その闇が我慢強い彼女を作ったんだろうな。


20年前にあったことを話すAちゃんは
落ち着いてはいたけど、
どこか儚く、小さくて、、。
初めて彼女の弱い部分を見た。

日頃は私がフォローしてもらって、
フェローの育成や藍沢先生とのこと、
色んなことを任せっきりで。


彼女は命の重さや人の心、
対者の気持ちがわかる。
いや、色んな経験をして、
それを自分で気づいたのが半分、
あと半分は、
それが染み付く位の想いをして
彼女を作り上げたものなのかもしれない。



『もぉっ
じいちゃん無理しすぎだってば〜
ばあちゃんに怒られるよ？
空から見張ってるんだからね？

あ〜うんうん！わかった。
また連絡するからね
身体大事にね？みんなによろしく！』



Aちゃん、
また改めて言わせてほしい。
ほんとに、
私たちのもとに来てくれてありがとう。




如月Aという仲間に
心から感謝したひとときだった。

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