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20年前、当時私は9歳。

都内で暮らす私たち家族は、
父、母、6歳と4歳離れた姉2人の5人家族。
その日は、ちょうどお盆の時期。
夏休み真っ最中で、
島のじいちゃんとばあちゃんの所に
車で帰省していた。

幼い頃から
じいちゃんばあちゃんっ子だった私は、
年に数回の帰省を楽しみにしていた。


父と母は、結婚してから
じいちゃんが漁で釣った魚を
売るために都内へ引っ越しお店をしていた。
2人とも自慢の親だった。

「島に着いたら、釣りでも行くか!」
「「いぇーい!」」
父の言葉に喜ぶ姉達。

「もぉ、お義父さん達のお手伝いも
あるでしょ?それが終わってからね?」
優しく微笑みながら、
でもしっかりと釘をさす母。

その光景を和やかな気持ちで
見ているのが好きな私。
本当に、この家族に生まれてよかった、と、
幸せに包まれていた。


「おぉ、よく来たね。」
「さぁさ、暑かったでしょう?
冷たいお茶ありますよ。」

島に着き、
じいちゃんとばあちゃんに再会して、
いっとき涼む。


じいちゃんは島の漁師だけど、
今日は異常な暑さ。

「親父、今日は俺が行ってくるよ。
暑いし、お袋と家の作業をしててくれ。」

「そうか、すまんな。」

父が2人の体調を心配して声をかける。
母や姉2人もついて行くことになった。

小学生は船に乗れない、
昔からじいちゃんにそう言われていたので、
アイスクリームを食べながら
お留守番をする私。

『行ってらっしゃ〜い』

「「「「行って来ます!」」」」


笑顔でこっちに手を振る4人の姿を
見たのが最後だった。









皆んなが船を出して2時間後、

「貴一さん!テルさん!大変だ!
船がひっくり返ったって!」


島の漁師さんが
血相変えて家に飛び込んで来た。

「なんだって!?」

「とりあえず皆を救助してるみてぇだ!」


ダッ


「A!行くんじゃないよっ!」


息をするのを忘れて走った。

ハァッハァッ、

目の前にはブルーシートが立てかけてあり、
中から色んな声が聞こえる。

「ダメだ!息してない!救急車は!?」

「くそっ!こっちも反応がねぇ!」

中で何があっているかわからない。
恐る恐る、ブルーシートをめくる。


『!』


愕然とした。


中には、さっき見送ったはずの4人が
青白くなって横になっている。


ガバッ

「A、見るんじゃないっ」

急に抱き寄せられ、
視界が暗くなったかと思うと、
じいちゃんの声とともに
暖かいぬくもりを感じた。

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設定タグ:コードブルー , 山下智久 , 藍沢耕作   
作品ジャンル:恋愛
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マナ - 聞いてもよろしいでしょうか? (2021年4月10日 16時) (レス) id: b2e96b20a7 (このIDを非表示/違反報告)
プリン姫(プロフ) - RthmEGMoHssRE1Hさん» 読んで頂きましてありがとうございます。ご要望いただきまして嬉しいです!短編でも出来れば...とも考えているのですが、前向きに考えさせていただきますね! (2019年5月15日 23時) (レス) id: 9cc564a9cd (このIDを非表示/違反報告)
RthmEGMoHssRE1H(プロフ) - 名取先生、もっとみたいです! (2019年5月15日 20時) (レス) id: 2c5e964fc3 (このIDを非表示/違反報告)
プリン姫(プロフ) - イチゴ王子さん» ありがとうございます★嬉しいです!今週も気合で書きます!楽しみにしていてください(^○^) (2017年8月9日 21時) (レス) id: 9cc564a9cd (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ王子 - とっても面白いです!続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年8月9日 1時) (レス) id: b0474ef046 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:プリン姫 | 作成日時:2017年7月23日 18時

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