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書斎に向かうと、椅子に座っているコナン君と近くに博士がいて、博士の手には例のチョーカー型変声機があった。
『コナン君〜』
コナン「ん、汀紗姉ちゃ...え?」
コナン君は私達の方向に首を傾げたと同時に目を見開いた
コナン「あ、赤井さん!?...だよね?」
「ああ。」
コナン「すっげぇ...分かってはいたけど汀紗の技術ハンパねぇ、、これなら知り合いが見ても絶対分かんねーよ。あれ?でも誰かに雰囲気が...」
有希子「気の所為よ!も〜皆して優作の事思い浮かべて、全く〜っ!」
『言ってんじゃん...。』
けど可愛いからおk((
コナン「あと赤井さんに渡したい物があるんだ!コレを...」
コナン君はチョーカー型変声機を差し出した。軽く博士とコナン君が機能を説明していると、有希子さんが咳払いをした。
『どしたよ有希子さん?』
有希子「赤井秀一さん?女優の立場から言わせて頂きますけどね声が変わっても雰囲気って言うものは作ろうって言わなきゃ作れないものなの。
だからこれから“他人に成る”演技指導をさせて頂きますけど、よろしくて?もちろん汀紗ちゃんのチェックも入れてね!」
『えメンド、もう休みた__』
有希子「よろしくて???」
『はい!よろしくってよッッ!!!』
そして、変声機を首に付けて演技指導の結果...。
有希子「完璧!完璧よ!!もうバッチリ〜!流石はFBI捜査官!けどもう少し紳士度は抑えていいかもね、ここは日本だから控えめな姿勢も大事よ!」
昴「分かりました。」
『ああぁ...ヤベぇ、、とうとう2推しの“沖矢昴”と会話しちゃったよ私...無理しんどい好き。...好き。』
昴「沖矢昴は汀紗の二推しなのか。」
『そうなのォ...』
その光景を見ていたコナン君が、汗を浮かべながらも「大丈夫そうだね」と肩を落とした。同じ様に私も肩を落として、どっと今までの疲れが体全身に回ってきた為...その場にドサリッと座り込んだ。
『はぁ〜〜〜。』
昴「大丈夫ですか。汀紗さん?」
『あぁ うん。ちょっと、流石に疲れちゃって...ずっと寝てなかったし、変装メイクもして演技指導も連続でやって...ようやく大きな山を一つ終えられたから...』
昴さんは膝を着いて、座り込む私に手を差し伸べてくれた。その手を取り...立ち上がる。
そこで漸く今回の協力要請が全て終わった。
昴「ありがとな。汀紗───。」
『...スゥー、、っうん!!』
私は大きく深呼吸をして返事をした。
声は昴さんだったけど、私には赤井さんが笑みを浮かべて御礼を言ってくれたように見えた。
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作者名:MN | 作成日時:2024年2月29日 7時