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兎に角足を進め、ベイカー街を目指す。
薄暗い路地を出ようとしたとき、警官2人の姿が見えた私とコナン君は足を止め、後ろの皆を静止する。
「『...。』」
路地から大通りを覗き会話を聞く。
「マイター街の路地裏で、また犠牲者が出たらしいぞ」
「1時間に2件...これで4件目か。まったくひでぇ世の中だ」
『働くねぇ。ジャック・ザ・リッパーさんは、』
歩美「怖いね...」
光彦「大変な時代に来てしまいましたね...」
灰原「世紀末のロンドンは大英帝国最後の最も良き時代だったと言われているけど、実際は貧富の差が激しくて、犯罪は悪質化し、人々の心はすさんでいった時代よ」
蘭「そういえば新一に聞いたことがある。シャーロック・ホームズが時代の光だとすれば、ジャック・ザ・リッパーは暗い影だった、って...」
コナン「じゃあ、時代の光に向かって急ごう。ベイカー街まではあと少しだよ！」
『お前なんでちょっと楽しそうなんだよ』
コナン「え？そうか？？」
さてはホームズに会えるのが楽しみなんだな？可愛い奴め！
路地を出た時、アコーディオンの音色が聞こえてきた、向かいから歩いてきた薄汚れた男に足を止める。
「ジャック・ザ・リッパーに気をつけろ〜夜道でお前を待ってるぞ〜死にたくなけりゃどうするか〜♪
....お前も血まみれになるこった〜♪」
歌いながら、男は横を通り過ぎて行った。
『...。』
歩美「なにあれ...？」
『.....後だあと先に急ごう。』
──────────────────────────
ベイカー街にあるホームズの下宿先に辿り着いた。
蘭「221番地のB。ここね」
蘭が前に立ち、ドアノックで扉を叩く。
元太「ここにあのシャーロック・ホームズが住んでるのか？」
蘭「ワトスン博士と一緒に借りてる下宿よ」
__ｶﾞﾁｬ､
「こんな遅くにどちら様？」
現れたのは気品のいい年配の女性、下宿の女主人であるハドソン婦人で御座いますね！
蘭「あ、あの...毛利蘭と申します。ホームズさんにお会いしたいんですけど...」
婦人「ホームズさんとワトスン博士は出張でいませんよ？」
蘭「出張？」
婦人「ええ、ダートムーアという田舎に」
ダートムーア.....“バスカヴィル家の犬”というホームズシリーズの舞台となった地だ。
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作者名：MN | 作成日時：2024年2月23日 21時
