230 ページ30
『...本当に飲んだんですか?自分の狼男をアピールして映画に出たがってたんじゃないんですか??』
狼男「あ、あぁ...景気付けにな、それとも何か?狼男が飲んじゃいけねぇのかよ!?」
『本当にシルバー・ブレットを....?』
そこでカッとして、飲んだと叫ぶ狼男...だがそこでようやく気付いたのかハッ、!と目を見開いた。
新一「そう、シルバー・ブレット “銀の弾丸”...
ホラーファンなら知らない人はいない、狼男の息の根を止める唯一の武器...それと同時に魔除の酒でもある。
恐らく福浦さんはこのカクテルのヒントで客達をバーに行かせ、誰にどんな酒を出したかバーテンに教えて貰ってシルバー・ブレットを注文したミイラ男さんが答えの人間だと当てさせるつもりだったんです。魔除の酒をわざわざ注文する怪物なんて居ませんから...」
まぁ、福浦さんに何も聞かされていないバーテンはおじさんに同じ酒を出していたみたいだけど。
毛利「じゃああの時、トイレから慌てて出て行ったのは...」
園子「トイレで寝ちゃって、まだそのカクテルを飲んでいなかったから?」
新一「そのミイラ男のメイクを福浦さんがやったというのなら、恐らく包帯の下に付けられているはずですよ」
メデューサはミイラ男の包帯に手を掛け、外し始める。すると素顔が晒されたミイラ男の額には「人間」の文字が見えた。
毛利「んで?もう一つの証拠っていうのは?」
新一「ボーガンの名手でもカードを矢に刺して遠くから人を射抜くのは不可能です。もちろん不安定なこのロープの上からもね
確実に仕留めるには、ここまで登って至近距離から発射しなければならない...その時狼男さんがここに立っていた跡が残っているんですよ。
トイレの鏡を割った時に踏んで靴底に食い込んでしまった破片の後が、後で鑑識さんに照合してもらえればピッタリ一致するでしょう。」
そこまで新一が言い終えた所で、おじさんが狼男に近付き靴底を拝見させて欲しいとしゃがみ込んだ所で、狼男はわなわなと気を荒らげながら突然叫び込んだ。
狼男「お、俺じゃない...悪いのはあの悪魔...」
毛利「あん?」
狼男「べ、ベルモットっていう...あの悪魔なんだよ!!」
毛利「ベルモットだァ?ソイツに頼まれてこの殺人をやったっていうのか??」
狼男「い、いや...福浦さんに恨みを持っていたのは確かなんだよ」
動悸は好きだった映画を呆気なく完結させ、子供だましのような亡霊船長シリーズを始めたことが許せなかったらしい。
85人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:MN | 作成日時:2024年2月23日 21時