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そこまで話すと、事が出来過ぎてるとおじさんが推理を否定しようとしたが偶然では無いと新一が推理を続ける。
新一「カードを矢に刺したのはその場の思い付きでしょう犯人が現場に自分のカードを残す訳ないと思われても、それを逆手に取ったと思われても狼男さんは疑われませんから...」
毛利「しかし...園子君が、呼んだ時狼男はトイレから出て来たじゃねーか!薬で眠らされていたんなら、なんであんなにタイミングよく__」
新一「トイレから出てくる前に何か聞こえたでしょう?」
園子「あ、そっか!あの“アォーン”っていう狼の遠吠えで起きたのね!あの遠吠え録音したのをリモコンで再生したみたいだから!!」
新一「あぁ...恐らくそのスピーカーを取り付けた場所はマスクの後ろ、盗聴器も一緒に付けてマスクを被らせたミイラ男さんの周りの人の声にすばやく反応出来るようにしていたんだ。
誰かがミイラ男さんに狼男として話し掛けられても、あの遠吠えで誤魔化せますつもりで...そばに狼男がいて、自分に話し掛けられているんじゃないかと錯覚させてね」
毛利「なるほど、だからあんた遠吠えの度にキョロキョロしていつも狼男のそばにいたなんて言ってたのか」
ミイラ男「は、はい...」
パーティー会場に狼男がいると印象付けて、アリバイを作り甲板に上がってマストの上の福浦さんを射殺、駆け付けた客の中から遠吠えを頼りにミイラ男を見付け、混雑に乗じてマスクを剥いで被り直し客の中に紛れ込んだ。
これが犯行方法...だが狼男はその犯行を認めず、証拠はあるのかと訪ねる。
新一「貴方が犯人だと示す物ならありますよ、ここ二つ...一つはこれ!この怪物達の中に人間が混ざっているという例の問題のヒントです。」
新一は鶏を掲げてみせる。
毛利「に、鶏??」
新一「恐らく、福浦さんはスポットライトを浴びながらこうするつもりだったんですよ」
園子「逆さ吊り...?」
毛利「フン、それのどこがヒントだと__」
『鶏の雄はcock、尻尾はtail、昔雄鶏の尻尾で多種類の酒を混ぜて作ってその雅名がついたと言われている...cocktailの語源だ。』
毛利「ヒントがカクテルだぁ??」
未だに分かってなさそうに眉を寄せるおじさん。
新一「毛利探偵、貴方も飲んだでしょ?そのカクテルを...」
毛利「そういえば...飲んだな、狼男が飲んでたのと同じやつを...確かあれは」
ミイラ男「シルバー・ブレット!!私、福浦さんにそのカクテルを会場のバーで飲めって言われました!!」
それに便乗して「俺も飲んだぜその酒」と言った狼男。
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作者名:MN | 作成日時:2024年2月23日 21時