1980 ページ31
会議室に残った服部とコナン。
服部「やられたのォ。オレらに謎解きをさせ、先回りしてお宝を奪う気や!」
腕を組んだ服部にコナンは「ああ」と頷いた。
コナン「カドクラ達が拓三をマークしてるのなら、彼らもお宝に...」
服部「完全に後手に回されてしもた.....って!?」
椅子に座っていた沖田と、テーブルに寄りかかっていた汀紗の姿が見えない。
服部「八宵と沖田がおらん!」
コナン「何っ!?汀紗、、!キッドの奴.....!」
沖田が座っていた椅子の前で、コナンは悔しげに奥歯を噛み締めた。
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その頃。拓三はスマホを耳に当てながら、病院の廊下を歩いていた。部下を引き連れて口の端を上げる。
拓三「.....そうか。わかった」
シュルッ──!
拓三「北海道東照宮に向かうぞ!」
頭の包帯を取り外して、その場に捨てた拓三ー。
カドクラ「───ついに動いたか。」
滞在先のホテルを出たカドクラは、ナチョが運転する車の後部座席で電話をしていた。
カドクラ「そのまま拓三から目を離すな」
スマホを懐にしまい呟く。
カドクラ「宝は我々のものだ」
カドクラを乗せた車は、前後を四台の部下の車に挟まれて高速道路を走っていった。
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北海道東照宮───。
『行ってこい眠りの怪盗』
毛利「嗚呼。」
函館山の中腹辺りにひっそりと建っていた神社。その赤い鳥居の前で、おじさんにそう告げて境内をくぐった背中を見送った。
本殿の方では、舞を終えた一人の巫女が祭壇の前で正座をして両手をついて深く一礼した。
ガララッ...
「ぁ.....、」
その時、背後から格子戸が開く音がして振り返る。
巫女は正座から立ち上がり、格子戸を開けた毛利に歩み寄る。
「参拝の方でしょうか?」
毛利「突然申しありません。私、毛利小五郎という探偵でして...実はさる方の依頼で、斧江圭三郎氏縁のものを探しています。こちらに何かそうしたものがありませんでしょうか?」
毛利の訪ねに巫女は一瞬、祠がある庭奥の一角にチラリと目をやる。
「いえ、当神社にそのようなものは...」
毛利「そうですか。いや、これは突然失礼しました」
毛利は頭に手をやり、格子戸を閉めて階段を下りた。
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作者名:MN | 作成日時:2024年4月17日 20時