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暗号の応えが「東都タワーのエレベーター」だと導き出したコナンは、高木刑事にそこへ向かうように懇願した。到着するとタワーの中腹辺りから、黒煙が上がっているのが見える。
松田「...やっぱり、暗号の応えはここか。」
コナン「!」
そのとき高木刑事の停まっている車の後ろに、もう一台停まった車...中から降りてきたのは松田。コナンは乗っている助手席の窓を開けて顔を出す。
コナン「分かったんだね暗号、」
松田「ああ、この手のヤツは得意分野だからな、状況は?」
高木刑事の車体に腕を乗せて、コナンに訪ねる。
コナン「高木刑事の車が到着する前に、小さな爆発が起きてエレベーターが止まったらしくて...」
松田「...。」
コナンの話を聞きながら、松田は前の方で1人...佐藤刑事に電話をかけている高木刑事の背中を眺める。
松田「十中八九、罠だ。」
コナン「うん。ボクもそう思う...警察を誘き寄せるための」
その時、野次馬の中から情報を聞いてきたTVクルーのスタッフが、他のスタッフ達に現状を伝えているのが聞こえてきた。
「大変だぞ!さっきの爆発で止まったエレベーターの中に女の子が閉じ込められてるそうです...!」
「まじかよ、ついてないな...。」
松田「.....。」
高木「.....。」
それを聞き入れた松田と高木刑事。
松田は高木刑事の元へ歩み寄り、携帯を取り上げて電話相手の佐藤刑事に呼び掛ける。
松田「佐藤。爆発が起きたエレベーターの中に、子供が1人取り残されたってよ」
佐藤《ま、松田君!?貴方まで、とにかく予告時間までまだ2時間以上あるから!!》
松田「...。2時間以上ねェ、それを待っていられるほど俺はアンタに忠実になった覚えはないぜ。センパイ」
「ありがとな、高木」と言い松田は携帯を高木刑事に渡して、一人先に東都タワーへ足を進めて行った。
佐藤《ちょ、ちょっと松田君!?》
松田の離れて行く背中を見ながら、携帯を耳に当てた高木刑事。
高木「佐藤さん、松田さんの言う通りですよ」
佐藤《なッ、貴方まで!? 大丈夫!!私が何とかするから松田君を連れ戻して!私がその子を絶対助けるから!!》
高木「しかし...」
佐藤《お願いよ!!高木君行かないでッ!!!》
高木「...。」
佐藤刑事の叫ぶ声に、高木刑事は拳を握り言葉を返す。
高木「イヤです!」
佐藤《た、高木君__》
高木刑事は携帯を切り、車にいる子供達の元へ一旦戻り大人しく待っているようにと促し、東都タワーへ走って向かう。
その後を車から降りて、追い掛けるコナン。
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作者名:MN | 作成日時:2024年2月21日 19時