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『アンタ、やっぱまだまだ17歳の精神力しか持ち合わせていないガキンチョだよ。悲壮感に浸るならこの事件が終わってからにしろ』
快斗「!」
『いいか?協力要請をしている時、八宵汀紗という存在は今アンタの味方だ。怪我上等 そんなもの覚悟のうえだ。
だから聞くぞ。
キッドは覚悟のない状態でこんな所に来たのか?』
快斗「...バーロ。覚悟なんて、、」
快斗...キッドは暗い表情から決意した表情へと変わり、私の手を強く優しく取り、甲にキスを落とした。
キッド「この“怪盗キッド”という名の袖を通した日から、とっくに決まってるよ。」
『フッ、行こうか───。』
そのとき城内部に炎が舞い始めた。
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コナンは1人 騎士の間に辿り着くと、そこは燃え盛る炎に包まれていた。甲冑が飾られている棚の影に身を隠して覗き込むと、炎の向こうに人影が見えた。
コナンは蝶ネクタイ型変声機のダイヤルを合わせる。
「“ちょっと待ったぁ!てめぇだけ逃げようったって、そうは問屋が卸さねぇぜ!”」
毛利の声が騎士の間に響いた。
「“あなたの正体は分かっています。中国人のふりをしているが実はロシア人だ。そうだろ?”」
今度は白鳥警部の声。
「...怪僧ラスプーチンの末裔...青蘭さんー。」
スコーピオン「...」
名を告げると、炎の灯りに照らされてスコーピオンは姿を現した。スコーピオンは銃を片手にコナンを探し始める。
コナンはスコーピオンが背中を向けたタイミングで向こうの棚の影まで駆け抜けた、気配に気づいたスコーピオンがすぐに銃弾を1発打ち込む。
「“最初は気づかなかったよ”」
今度は寒川の声で話し始める。
スコーピオン「その声は寒川っ!?」
動揺を見せるスコーピオンにコナンは続ける。
「“浦思青蘭の中国名、“プース・チンラン”を並び替えると“ラスプーチン”になるなんてことはな”」
スコーピオン「お、お前は...お前は私が殺したはず!」
スコーピオンがそう声を上げたとき甲冑が倒れ...スコーピオンは再び2発銃弾を撃ち込み、鬼気迫る表情でそちらへ駆け寄った。
その隙にコナンはまた棚と棚の間を駆け抜けて移動した。気配に気づいたスコーピオンさんが再び銃を1発放つも、寸前でコナンは棚の影に身を隠す。
「“ロマノフ王朝の財宝は、本来皇帝一家と繋がりが深いラスプーチンのものになるはずだった。そう考えたあんたは先祖に成り代わり財宝のすべてを手に入れようと考えたんだ”」
寒川の声から白鳥警部の声に戻り、スコーピオンは混乱したように周囲を見渡す。
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作者名:MN | 作成日時:2024年2月21日 19時