1939 ページ40
「...。」
俺の横で運転手が、手前から二本目の掛け軸を手に取った
「問題ないです。もう一福、拝見しても?」
職員「どうぞ」
「では、失礼して.....」
俺が別の掛け軸へ手を伸ばし掛けた時__、、
ガガガッ、、。
シャッターが下りる音が聞こえ、手を既でピタッと止める
職員「だ、誰ですか!?」
職員の呼び掛けには答えず、搬入エレベーターを下って歩いてくる、後ろ前に被っていたキャップを前向きに被り直した.....服部。
服部「予告状を出して収蔵庫の方に警備の目を向け、手薄になった搬入口から堂々と盗み出そうってか」
ガッ!!
職員「あ、ちょっと君!」
職員がジュラルミンケースを閉じようとした...だが寸前で、歩み寄った服部がケースの蓋を掴んで止める。
服部はケースの前で止まっていた俺の手をサラッと退けて払い、横で運転手が抱えていた掛け軸を取り上げた。
服部「昨日の夜のうちに収蔵庫に忍び込み、金庫に入れる前の脇差を偽物とすり替えた」
掛け軸の軸棒から軸先を手で外した服部は、空洞になった軸棒の中から、脇差を出して取った。
服部「ホンマはそのまま持って出たかったけど、出口の警備が厳しすぎて、さすがの怪盗もあきらめたんやな」
掛け軸を投げ捨て脇差をつかんだ服部.....。
職員「あ、あのあなたは一体...?」
戸惑う職員に向けて、服部は人差し指を立てる。
服部「予告状に書いてあった〈本日深夜零時〉ちゅうんは、今から2時間後の夜12時のことやのうて、22時間前の夜12時のこと。つまり、怪盗キッドは22時間前に脇差二様を盗みに入った後で、予告状を出したっちゅうこっちゃ」
それで服部は俺と運転手の方を鋭い視線で見てきた。
服部「アンタらのことも調べさせてもろたで、福引きが当たって家族と甥っ子も連れて温泉旅行中らしいやないか。
───ほな、お前らは一体誰やねん?」
「『...フッー。』」
運転手が後ろへ飛んだと同時に、俺も飛びその場を去った
バサッ───!!
服部「!」
服部の目の前には突然、白い布が広がり.....怪盗キッドが現れた。
少し離れた所で着地したキッドを前に、今の一瞬で姿が見えなくなったもう一人の運搬業者に服部は目を見開く、その隙にキッドは職員が持つジュラルミンケースに手を伸ばした。
キッド「ケケッ♪」
服部「なっ、!させるか!!」
ハッとした服部は、キッドと同時に掛け軸を掴んだ。
107人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MN(プロフ) - メイデーアさん» コメントありがとうございます。生きてましたね〜。今のところ例の方とは少し絡ませようか検討中の段階です!! (4月16日 16時) (レス) id: a9073d184b (このIDを非表示/違反報告)
メイデーア - 書き忘れてましたけど、一応ネタバレはピーーー表記にしておきます! (4月16日 15時) (レス) @page50 id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
メイデーア - 映画おもろいですね!まさかあの人とあの人が、ピーーーだったとは!しかもあれっすね、生きてましたね、ピーーーさん!!頑張ってください!平次かわいそう (4月16日 15時) (レス) @page19 id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
roofermiho1002(プロフ) - 土方さん!!函館〜! (4月15日 20時) (レス) @page37 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
roofermiho1002(プロフ) - 映画もだけど、本の方も凄いですよね。自分は映画は本で読んでいます。 (4月13日 21時) (レス) @page36 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:MN | 作成日時:2024年3月19日 13時