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工藤邸───。
『...............ッあ、、!?!』
昴「目が覚めましたか」
!...あ、う、嘘!?そんな...!
『す、すみません...!な、なんの許可もなく寝入ってしまって...、!!わ、私っ.....』
ガッ!!
『きゃっ...!』
ドサッ!!
『..........っえ、?』
掛けられていた毛布を取り、ソファから勢いよく立ち上がり傍にいた沖矢さんに頭を下げようとした時、目の前にあったテーブルに躓き、転ぶ...!
と思った時には沖矢さんの腕の中にいた。
昴「病み上がりです。無理をなさらず」
『っ.....す、すみません...。』
沖矢さんはゆっくり、私をソファの上に戻してくれた。
昴「コー...じゃないな、何か飲みたいものはありますか?」
前で膝を着いて優しく訪ねてきた沖矢さん。
コー...コーヒーって言いかけたのかな?癖で私に問い掛けてるみたいだった。じゃあ私はきっとこの方と、親しかったんだろう....それも凄く、、。
なのに私は___、
『..........なんでそんなに優しいんですか?』
昴「...。」
『私は貴方の知っている八宵汀紗さんじゃない...。その名前をただ上っ面な面々で名乗っているだけであって、私には何も無い...貴方に優しくしてもらう権利なんて何も無い、、なのにどうして?』
昴「.....どうしてだと思います?」
『ぇ...』
質問を質問で返されて、言葉が詰まる。
すると直ぐに沖矢さんはフッ、と優しく微笑んだ。嗚呼...まただ。また、、貴方もそんな悲しそうに笑うんですね。
昴「いいんです。これから、貴方自身で応えを見つけてみて下さい。貴方は...汀紗さんは強い人です、なんの躊躇いもなく人を救って、人を笑顔にする。大きな存在です。だから...」
────「そんな顔をするな。」
『.....あか...』
昴「!え...、」
『.....あ、ごめんなさい。何でか分からないんですけど、なんか、、急にその...赤?って単語が頭の中に流れて.....』
昴「そう...ですか。」
また、沖矢さんは悲しそうに笑った─────。
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作者名:MN | 作成日時:2024年3月14日 16時