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それに思わず、素っ頓狂な声が漏れた。この子は今まで何度も困難を乗り越えてきた存在だが、まさか記憶喪失にも遭遇していたなんて...
安室「記憶喪失になった人って、一体...」
その問い掛けに彼は何も答えず、ただ上を見上げた。
その目線の先には毛利探偵事務所、その表情から察するに恐らく過去に記憶喪失になった経験があるのは蘭さん.....。
安室「ごめん。色々と感情的になってしまった、」
コナン「ううん。ボクだって松田刑事の言葉がなきゃ、安室さんにあたってた...。それぐらいショックな気持ちでいっぱいだから、」
君からそんな言葉が聞けるとは...
やっぱり君の中でも、汀紗の存在は大きいんだな───。
気を取り直す為に、僕とコナン君は共に店内へと戻った。
梓「あの...大丈夫、ですか?」
気まずそうに聞いてくる梓さん。やっぱりさっきの光景見えてたよな、声は聞かれていないだろうけどあの松田の表情でかなり深刻な事態だとは察しているだろう。
安室「すみません。店の前で、事情は話せないんですけど問題はありませんので」
梓「そ、そうですか?安室さんがそういうのなら大丈夫なんだろうですけど...」
不安そうな表情は消えていないが、僕の言葉でこれ以上は追求しないと決めたのかカウンターの中へと入って行き、洗い物をし始めた梓さん。本当に気の利く人だ...。
コナン「それで安室さん」
梓さんの方を一瞥して、小声で話し掛けてきたコナン君の元へと近寄り、膝を曲げて互いに小声で言葉を交わす。
安室「その前に、緑川からはどこまで聞いた?」
コナン「現状は全部」
安室「.....まっ、変に隠さない方が身のためだな」
微かに苦笑いを浮かべたコナン君。
コナン「それで汀紗姉ちゃん、自分の家には帰りたくないって言ってるんだよね?」
安室「嗚呼。恐らくだが、自分以外の人間をあのマンションに近付けさせたくないんだと思う。真意は本人も分かっていない様だから無理には返させたくないと思っている」
コナン「でも、安室さん達の家に上がらせる訳にはいかないんだよね?」
安室「協力要請の関係を築いているなんて、今の本人にはとてもじゃないけど言えないだろ?」
コナン「だよね...。探偵事務所って線も考えたけど、、」
途中で言葉を濁らせたコナン君。
まぁ理由は毛利先生と蘭さんに、汀紗の事情を知らされたくないって所だろうな。
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作者名:MN | 作成日時:2024年3月14日 16時