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そこから、コナン君と松田は黙ってスマホを耳に当てたままこれまでの経緯を説明しているであろうヒロの話を聞き入っている。
松田「...」ピッ、
数秒後.....松田は通話を切り、コナン君は地面に着地した。
ガッ、!!
松田「テメェッッ!!!!」
俯いていた松田は顔を上げ、僕の胸ぐらを勢いよく掴み上げて拳を顔面目掛けて振り下ろしてきた。...が直前でそれは止まり、胸ぐらを掴んだまま僕の肩に脱力したように頭を乗せてきた松田、、。
コナン君は顔を下に向けたままで、表情が読み取れない。松田も頭を僕の肩に置いたまま一向に動く気配が無い.....、
松田「.....返せよ...」
暫くして発せられた言葉に、一気に胸が締め付けられた。
降谷「...返す言葉も無い」
松田「なんで...汀紗.....なんだ、、?アイツじゃなきゃいけなかったのか...??あいつ...なんか悪い事したか?なぁ、なァ、、!降谷ッ...!!!」
頭を上げて、両手で僕の胸ぐらを掴み嘆いてきた松田。
松田「意味ねェーんだよッ...! 汀紗がいねーんじゃ、俺の生きる意味が無くなる...っ。なんの為にあの日...そう約束した...、?何が命を賭して汀紗のことを護るだよッ...!! なんにも護れてねェじゃねーかっ、、!ばかやろうッ、、!!」
降谷「っ...」
今にもほつれそうな松田のか細い叫びに、唇を噛み締める
松田「..........悪い。ちと、取り乱し過ぎた。帰るわこれコーヒー代、あとスマホ」
目所か顔すらも此方に向けず、僕の胸元に地面に落ちていたスマホとコーヒー代分のお金をピッタリ押し出してこの場を去って行く松田。
その背中を最後まで見送る事が出来なくて、視線を落とす
コナン「そんなに気に病むんじゃねェ」
降谷「え?」
突然、荒い口調で言葉を放ったコナン君に瞬く。
コナン「って、いつもの汀紗姉ちゃんならそう言うよ」
安室「..........。そうかな、?」
コナン「うん。それに今の汀紗姉ちゃんだってきっと抗ってるよ。記憶の無い自分は周りを傷付けるだけだって、思っているだろうから...だからそれにボクらも応えないといけない」
安室「ハハッ、随分と知った口を利くじゃないか。まるで以前にも記憶喪失にあった人間に会ったことがあるような口振りじゃないか...」
コナン「うん。あるよ」
安室「え.....?」
自分の不甲斐なさに心底腹が立ち、コナン君に強い口調で言ってしまった事にまた腹が立っていると、コナン君はフッと表情を柔らかくして頷いた。
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作者名:MN | 作成日時:2024年3月14日 16時