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日本橋の中央に来た所で、ゼロは足を止めた。
風見「その前に、現段階でゼロが掴んでいる情報を教えてください」
降谷「ああ」
私とヒロは2人の近くで、ハンカチを持ち適当に一般人のフリをする。ゼロの方もスマホを手に持ち、それを耳に当てて、誰かと通話をしている素振りを見せながら報告してきた。
車道の方でトラックがすれ違いその音に、公安と要請の者以外には聞き取れなかっただろう。報告内容を聞いた私達は、思わず目を見開く...
風見「NAZU!?」
降谷「この情報を、サイバー犯罪対策課に流し...捜査会議で刑事部に報告させる」
『いいのか？美味しいネタを刑事部に譲って』
濡れた一部の髪を指先で、絞りながらワイシャツの締めていたボタンを全て開け中の黒いキャミソールを露にした。
風見「そうですよ。我々公安部から報告すべきです」
そして、私の言葉に同意見な様子の裕也。
諸伏「そんな手柄を取り合うみたいな言い方、しないでくれ汀紗...それに降谷はそういうのに興味ないと思うぜ？」
降谷「ふっ、そうだな。それに...ご褒美だよ」
ヒロの呟きに、ゼロは片目を閉じて微笑んだ。
降谷「爆破テロが事件化出来たのは刑事部のおかげだ。それに、この情報がゼロからだってことは“裏の理事官”には伝わっている」
橋の手摺に腕を置いて組み、雨の降る空を見上げたゼロ。
風見「.....降谷さんが怖いです。」
裕也は、ゼロから目線を背けて呟いた。その光景を近くで見ていた私とヒロは思わず肩を竦めて口角を上げ、ハンカチをしまい.....日本橋から気配を消して去った。
降谷は橋の麒麟の像を見上げながら、風見に言葉を返す。
降谷「風見...僕には僕以上に怖い男が２人いる」
その内の１人は、まだほんの子供だがな─────。
瞳を揺らしながら、降谷も日本橋から静かに去った。
まだほんの子供...その言葉に見覚えのある小さな人物が頭に浮かんだ風見は自嘲気味に、鼻で笑いながら同意する。
風見「今、降谷さんと同じ子供を思いうかべましたよ...」
そこには降谷も諸伏も汀紗も誰一人としていなかった─。
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作者名：MN | 作成日時：2024年3月11日 17時
