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逆に降谷は、コナンを見下ろした。
降谷「毛利小五郎の事となると、君は一生懸命だね。
──それとも...蘭姉ちゃんの為かな?」
コナン「ッ...、」
歯痒がい表情を浮かべたコナン、その時草むらが揺れた。
降谷「構わない。出て来い」
そう言う降谷の言葉に続いて、現れたのは風見...
風見「なぜ私を呼んだんです?」
降谷「...」
風見「降谷さん?」
ザッ、と静かに体の向きを直して風見に近付く降谷。
風見「えっ...」
ガッ!!
風見「っく!」
風見に近づいた降谷は右腕を掴み捻りあげた。痛みに呻いた風見を構い無しに、降谷は風見の右袖の裏から.....盗聴器を外した。
風見「ッ...!?」
それを見た風見は驚愕する。
降谷「これでよく公安が務まるな──?」
...怖、オタク心大歓喜しなかった。普通に恐怖が勝った。
風見「す...すみません...」
バチィッ...!
降谷「.....。」
陳謝する風見を前に、盗聴器を指で押しつぶして降谷は風見の腕を離して去って行く。「待って!」とコナンはスケボーを脇に抱えて、降谷の後を追った。
風見「.....っ一体、誰が...!」
膝を地面に着けたまま悔しそうに呟いた裕也、そのまま顔を上げて私の方を見てきたが、直ぐに顔を逸らして立ち上がった。
『普通に考えて無いだろ』
風見「だよな...。だとすれば、、」
眼鏡を指で直しながら、橋の上にいたコナンを見やった。
風見「盗聴器は、君が仕掛けたのか?」
裕也は歩きながら声を掛けて、コナンは静かに振り返る。
風見「いや、まさか...。汀紗ちゃんは兎も角、こんな子供が.....」
裕也は隣にいる私を見ながら、苦笑して頭を抱えた。
コナン「安室さんは、全国の公安警察を操る警察庁の...」
「『ゼロ』」
風見「!」
コナン「そんな安室さんに接触できるのは、公安警察の中でも限られた刑事だけ...それが風見さんだったんだね。まぁ何処まで“協力要請”で動いているのかも、分からない例外が1人いたりもするけど...」
『うるせぇ〜。』
私の態度で、裕也はこの子供だけで全てを導き出したものだと察したのだろう...裕也は冷や汗を流しながら、コナンを見詰めた。
風見「君は、一体...何者だ?」
コナン「江戸川コナン、探偵さー。」
肌をなぞる様に、少し冷たい風が落ち葉と共に流れた...。
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作者名:MN | 作成日時:2024年3月11日 17時