1271 ページ22
諸伏「もし、もしだよ?汀紗の大切な友達が、別の汀紗の大切な友達を泣かせたら...そのとき汀紗はどうする??」
『一発引っぱたく。場合によってはグーだからな』
諸伏「あははっ、怖っ」
乾いた笑いをしながら両手を曲げて腕を、上下に擦らせた諸伏。そこで深く被っていたフードが少し下がり、ヒロの表情が見えた。
『なんて顔してんだよ』
諸伏「こんなこと本当は言っちゃいけないんだけどさ、辛いんだ。接点なんてほぼ無いけど、それでも泣かせるような事をしちゃって...
事件解決の為とはいえ、辛いんだ。もっと他に方法は無かったのかって、あの子ならどうしたのかって.....?」
『ここで弱音を吐くか、弱い男だな』
諸伏「俺は弱いよ。弱くなった...“3年前のあの日”から...」
そこで思わず、私は目を開いてヒロを見る。
諸伏「傍にいるのに、大事な時には手が届かなくて...何があっても護りたいと決めたのに、ソイツは俺の事を置いて好きな人の為にどんどん突っ走って行く。
置いて行かないでよ、汀紗、、?」
首を傾げて、私の目を見ながら哀しそうに笑ったヒロ。
『...悪いけど、ついて行けない奴は置いてく』
諸伏「えー、酷い...。」
『好きなら何処までも追い掛けろよ。』
諸伏「!」
『例え死んだ身だとしても、私は最期まで推しを推す主義なんでな?』
それにヒロは、微かに笑みを浮かべて背を向けて去った。
20人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:MN | 作成日時:2024年3月11日 17時