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水谷「──へぇ、あの毛利探偵の助手なんだ」
コナン「まあね!でも、残念だね...。せっかく空に近いところに来たのに星が見えなくて」
水谷「いや、僕には見えるよー。」
水谷は空になったワイングラスにワインを注いで、再び空を見上げた。
水谷「いつ、どこにいても。あの星たちだけはね」
コナン「...ねぇ、水谷さん。そのワイン飲み終わったら死ぬつもりなんでしょ?」
水谷「...。」
コナン「“許せない者が8人...あと1人残ってます”
───その残る1人って、水谷さん。自分のことだよね?」
それに水谷は目を開いた。
コナン「なな子さんが亡くなった経緯を知った時、どんなに驚き...怒りに震えたか...僕にはわかる気がする。だから、京都のホテルまで行って7人のこと調べたんだよね?」
水谷「...君の言う通りだ。2年前のあの日、自分さえ友達似合いに行かなければ、ななを死なせないで済んだ...そう思うと、自分自身が許せないんだ」
コナン「でも、自 殺はいけないよ!自 殺って、自分自身を殺す__」
水谷「わかってる...!」
水谷の強く弱い口調にコナンは黙る。
水谷「分かってるけど、ななのいない世界で生きていくの僕にはもう耐えられない。それに、どうせ僕は死刑...」
コナン「死刑にはならないよ」
水谷「!...えっ?」
コナン「だって水谷さん、誰も殺していないもん。」
コナンは背後から迫ってくる人物に微かに目を見据えた。
コナン「...心の優しい水谷さんに、自分がその7人を殺害するから、代わりにその罪を被って自 殺してくれって言ってきた人がいたんでしょ?」
水谷「!」
コナン「なな子さんの死に責任を感じていた水谷さんに、異存はなかった。...でもね。その人が本当に憎み、殺したいと思っていたのは...実は水谷さんなんだよ」
水谷「えっ?」
コナン「なぜなら...水谷さんは、愛する妹を奪った相手だから...」
コナンは迫ってくる気配の方に首を傾げる。
コナン「...そうだよね?
なな子さんのお兄さんの、本上和樹さん?」
本上「...」
彼の登場に水谷は肩を窄めて驚く。
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作者名:MN | 作成日時:2024年3月1日 18時