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神社を出て、陽も暮れ始めた頃...コナンは歩いていた足を止る。その後ろを着いてきた私も足を止める、目線の先では暗くなった空を鮮やかなビルや電灯の光が灯していた。
そして、一際目立つあのタワーの光も...。
『それで、どうやって水谷浩介の居場所を特定するわけ』
コナン「...。」
少し言葉を溜めたコナンは「賭けてみる」と言い、携帯を取り出し沢村さんに電話を掛けた。
コナン「あ、沢村さん。水谷さんとなな子さんの趣味って知ってる?」
沢村《え?...水谷くんとなな子さんの趣味?》
コナン「うん。もしかして、星を見ることじゃない?」
沢村《そうだよ!ここに住んだのも天文台が近いからだって言ってた》
コナン「やっぱり...、」
沢村《中でも、北極星と北斗七星が2人は好きだったなぁ...北斗七星の美しい形と、北極星の常に真北に輝いている姿が...》
コナン「...。」
沢村《その星を見て、2人は自分たちの愛を確かめあっていたんじゃないかなぁ...。ふふっなんて、子どもの君に言っても分からないか》
コナン「ううん。ありがとう」
コナンは電話を切り、私の方に目を向けてきた。
コナン「この辺りで1番星に近い場所っていったら...」
『どーこだっ?』
コナン「あーそこっ」
シリアスな顔と声色で私のノリに乗ったコナン君の目線の先には、奥に聳え立つ立派な赤い建物のタワー...東都タワーだ。
コナン「あそこなら見える...」
『ああ、じゃあいっちょ行ったりますか。
織姫と会える事を願って星の下に立つ彦星の元へ──。』
ポエムじみたセリフを吐くとコナンは決意した表情を浮かべ、東都タワーに向けて足を進めた。私も着ていた赤黒いパーカーのフードを深く被り、足先を東都タワーに向けた
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作者名:MN | 作成日時:2024年3月1日 18時