検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:116,118 hit

episode26 ページ26

驚いた
どうしてここであの男の名前が出てくるのだろうか


私は一番不思議な顔をしていると思う
当たり前だ
こんな一世一代の良い場面にどうして中学からの同級生の彼の名前が出てくるのだろう



『…Aちゃん?』
「何で…ウォヌ?」


私の口からそう出ると思わなかったのだろうか
ホンくんも同じように目を点にした
普段、黒目がちな瞳は大きく開き白目がちになっている


『え?Aちゃんの好きな人って…』


…まさかかと思う
いや、あの3人はそんなガセネタを垂れ流すような人でもない
ホンくんが一人で私がウォヌのことを好きだと勘違いしていたのか



『だ、だってあの3人以外で仲良いのウォヌだけだし。夏休み前もAちゃん楽しげに話してたから…』
「…多分中学一緒なのウォヌとジュンちゃんだけだから…」


私が顔を傾げるとホンくんは同じように首を傾げ
少しして彼は吹き出すようにお腹を押さえて笑っていた


『はは、じゃあ僕の勘違いだったのか』
「…うん。」


ホンくんは一通り笑った後、笑いすぎたのか涙を拭っていた


『じゃあ、今好きな人いないの?』



改まって私の方を見る彼
さっきの真剣さはどこに行ったのやら、口角を上げていた



―――…



「…いるよ」



気付いてほしい
気付かないでほしい

気付かないでいい


自分かも、そう少しでも思ってほしい



『…それって僕の知ってる人?』
「…」



こんな時
彼の少し天然なところが有難いのか、と思う



「…そうだy




パーンッ!!



私の言葉を遮るように
真っ暗な夜空に放たれた花火は開花するように火花を散らした


あ…そっか
花火予定より遅れたんだ


一つの花火が上がったのを合図に次々に色とりどりの花火が放たれた
薄暗くてよく見えなかったホンくんの顔も今ならよく見える



「…花火、綺麗だね」
『…』


綺麗なものを目の前にすると何者でもなくなってしまいそう
だからこそ私はホンくんを好きになったのかもしれない


『…Aちゃん』



ホンくんに名前を呼ばれ、反応すると
優しい笑顔で微笑む彼がそこにはいた


『なんか、今日会えてよかった』
「?ごめん聞こえない…」



『今日、会えてよかった』



私の耳元まで顔を近づけて
彼はそう言ってくれた

花火の音にかき消されないように大きな声で




ホシ:あ、Aいた!
『ホシたちも来てたの?』
ホシ:おい、お前花火までに戻ってくるって…



ジュン:どしたの?顔真っ赤だよ?



「…か、帰る」

episode27→←episode25



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (63 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
212人がお気に入り
設定タグ:ジョシュア , seventeen , セブチ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

キキ - とても面白くて一気の読んじゃいました!続き楽しみにしてます^ ^ (2019年12月14日 17時) (レス) id: b5b68b1f48 (このIDを非表示/違反報告)
mkinsprit(プロフ) - ホンくんの自分の気持ちに気づいた時の男らしい告白を楽しみに待ってます!でも、この2人の気持ちが重なるまでにある色々な出来事、それもまた楽しみです。ね、剛田ジョンハニ^_^更新を楽しみに待っています!頑張ってください^_^ (2019年11月25日 23時) (レス) id: 0bd1ab3dc1 (このIDを非表示/違反報告)
strawberry(プロフ) - いつも見てます!主人公ちゃんが中学校の時好きだった人で、btsのホソクさんはどうでしょう(o^^o)これからも更新頑張ってください! (2019年11月23日 22時) (レス) id: b15d1f6763 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:やっこちゃん | 作成日時:2019年11月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。