episode16 ページ16
『何か食べる?』
「んー…」
『食べたいのある?』
レストラン街をうろうろしていると大きな看板に載っているオムライスが目に入った
「あそこ、どうかな」
『うん。あそこにしようか』
純喫茶のような店内は洋楽が流れ、お客さんも静かにディナーを楽しんでいる
何かホンくんのバイト先に雰囲気似てるなあ…
テーブル席に着くと先に私の方にメニューを向けてくれた
「あ、ありがとう…」
さらっとこういうこと出来るのさすが…
覗き込むようにメニューを見るホンくん
見やすいように私が身体を後ろに引くとフッと笑った
『ごめん、Aさん何にする?』
私の真似をするように前で腕を組んで後ろに身体を引いた
「…こっちか、こっちで悩んでる」
看板にもあった人気メニューのチーズオムライスと
定番のデミグラスソースがかかったデミグラスオムライス
こういうメニューを決める時いつも迷ってしまう
あの3人と食事に行く時は量の多いもの頼むからなあ…
にらめっこするように同じページで悩んでいると
ホンくんが片方のメニューを指さした
『僕こっち食べたいから、分けない?』
「…いいの?」
『うん。僕もチーズ食べてみたいし。』
憧れていた。
好きな人と、半分こして分け合うの
まるでホンくんに全部読まれているようだった
・
・
『美味しかったね〜』
「うん、デミグラスも美味しかった」
ゆっくり食べていると帰る頃には21時を回っていた
「…」
不思議だ。
さっきまで映画の話で盛り上がっていたのに
場面が変わるだけで何を話したらいいのか分からなくなる
自分でも思ってしまうんだけど何で好きな人の前だと人が変わったように無口になるんだ?
第二の人格でもあるの?
「…あ、あれだね。6月だけど夜はちょっと寒いね」
『確かにそうだね。』
「…」
『飴、いる?』
「え?」
『今日ね、辞書貸した時にユキがくれたんだ』
パンツのポケットから苺柄の飴を取り出し私にくれた
『多分ジョンハンから盗んだやつなんだろうけど。』
思い出したように笑うホンくん
本当仲良いんだなあ、3人
私もあの2人みたいにホンくんと緊張も何もせずに話せれたらどれだけ楽か…
「…ありがとう、ホンくん」
『…あと僕のことジスでいいよ?ホンくんって堅苦しいから』
「え?い、いやいや。いや…無理無理。だってホンくんだよ?」
『何それ、笑』
でも間違いなく
前よりも私はホンくんの前で笑えた気がした
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キキ - とても面白くて一気の読んじゃいました!続き楽しみにしてます^ ^ (2019年12月14日 17時) (レス) id: b5b68b1f48 (このIDを非表示/違反報告)
mkinsprit(プロフ) - ホンくんの自分の気持ちに気づいた時の男らしい告白を楽しみに待ってます!でも、この2人の気持ちが重なるまでにある色々な出来事、それもまた楽しみです。ね、剛田ジョンハニ^_^更新を楽しみに待っています!頑張ってください^_^ (2019年11月25日 23時) (レス) id: 0bd1ab3dc1 (このIDを非表示/違反報告)
strawberry(プロフ) - いつも見てます!主人公ちゃんが中学校の時好きだった人で、btsのホソクさんはどうでしょう(o^^o)これからも更新頑張ってください! (2019年11月23日 22時) (レス) id: b15d1f6763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やっこちゃん | 作成日時:2019年11月5日 23時