スターラブレイション 【吉沢亮】

episode23 ページ23

カチッ


ただいま、自宅…
銀魂の撮影とドラマの撮影を並行しながらの毎日

そろそろ疲労も限界だわ…。





上京してからずっと同じ1Rアパートを借りている
住もうと思えば広めの部屋には住める


だけど実家でずっと兄弟と二人部屋だった私にとって1Rでも住めば都とも言える。


ベッドとクローゼット、ラックが一つとテーブル。
廊下にキッチンと洗濯機。
全て白で揃えて目を休める


「…明日は6時起きか…」



ダイブしたベッドの上で明日のスケジュールを確認。
同時進行でシートを手に取りメイクを落とす。


明日は朝にドラマのロケ。
吉沢演じるサラリーマンが三度目の告白を私演じるOLに告げる
一度目はオフィスの下で出会って間もない頃に告白。
二度目は私の家に来た時に告白。


そして三度目は出勤前の私を引き止めて告白。



…ツッコミどころ満載じゃない？


吉沢レベルの顔を持つ出来るサラリーマンが私に三度も告白するんだよ？

決めたら一直線のストーカーじみた一面もあるが何処か憎めない愛嬌が視聴者に受けている。


その甲斐あってドラマの視聴率は好調だ


"吉沢さん本当に可愛いわ…私も告白されたい…"
"ユリちゃんとのやりとりが面白くて中毒性あるから皆見て！"



マネージャーから見せてもらったSNS上での視聴者からの反応は口元がにやけてしまった


そして7話まで来て私は困ったことがある



それは…




・



・


監督:カーット！！ユリちゃん顔赤い顔赤い！！


「す、すみません…」



12歳から女優を夢見てきて一度も男子と付き合ったことがない。
無駄なプロ意識とも言えるのか


高校時代に告白された経験もある。


しかし既に女優として活動していたからではなく
自分が好きでもない人と付き合うのは違う

その考えがあり断っていた。



が、私も女だ。


少女漫画のようなお姫様抱っこや壁ドン、ベタな顎クイや抱擁にはキュンキュンする


だからいくら嫌いな吉沢でも免疫のない私は毎度毎度顔が赤くなってしまう



「吉沢はぬいぐるみ、吉沢はぬいぐるみ…」
『何でぬいぐるみが顎クイすんだよ』
「だってさあ…」


前に一度共演した有村架純ちゃんが言っていた。
相手役の男性を絶対好きになると


無理だろ。


いや、恋愛経験値0の私がそんなことしたらドラマ終わってもこいつのこと好きになりかねないじゃん

嫌だあ！！！
まだ文春載りたくないよ！！



『アリだと思うけど。』

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