スターラブレイション 【吉沢亮】

episode18 ページ18

「げ」




その言葉を発したのはジムでトレーニング終わり、シャワーを浴びて優子ちゃんを待っている時だった


時間があったため少しでも台本を覚えようと読んでいたところ


……吉沢もいんの？

当たり前に、彼はこの実写化銀魂に欠かせない存在
原作で圧倒的に人気のキャラクターを演じ、見事に賞賛を得ている


けど知らなかった…ドラマにも出るの…

だって私全然銀魂分かんないんだもん…！
キャラクターはちょいちょい分かっても何話がどんな話とか知らないし…


小栗さん、菅田君、環奈ちゃん…
環奈ちゃんが唯一の救いだ


新木:あ、見たよニュース！おめでとう〜！


シャワー上がりでまだ髪が濡れている優子ちゃんが座っている私に抱きついてきた


「暑い暑い！」
新木:あら、ごめん


そう。厄介だ。
早速ネットニュースで取り上げられ、全国区に私が銀魂に出演することが広まってしまった



「でもね、本当私なんかが出ていいのかな…」


出演者は今を代表する新旧役者が勢揃い
同世代の俳優たちは一線を置いて活躍している

そんな名前も知られていない私が出て…



新木:バカだなぁ。


「バカだよ」


新木:女優は私なんかじゃなくて、私こそなんだよ。



…私こそ？


新木:この世界、ドラマでも映画でも舞台でも一人の役を演じられるのは一名のみ。消極的になってチャンスを逃したら一生回ってこないかもしれないんだよ？女優はスポットライトを浴びるのが仕事なんだから



……
そんな考え、今までなかった…

だから私はダメなんだよ…


「…私'こそ'、このドラマ出るべき？」


新木:よく言った！



優子ちゃんは、まるで魔法使いだ



・



・



『何ちんたら動いてんだよ三流女優。』



誰かこの状況を説明してください。

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