スターラブレイション 【吉沢亮】

episode8 ページ8

うわ…


整ってる、なんてもんじゃない。


メイクもしてない素の彼
一つ一つのパーツが恐ろしいほどに完成している

目も鼻も唇も、全てのパーツがあらかじめデッサンされたかのような…


7年前、一瞬でも好きになりかけた彼は更に少女漫画の登場人物のような人間になっていた




ガタンッ



「…」

MG:ほら、挨拶。


左隣に座るマネージャーに肘で突かれた。

反対側の右隣に座る吉沢。



「…お久しぶりです。」


『…あぁー、いつぶりでしたっけ。』



一瞬時が止まって、



え？こいつ久しぶりだっけ？



そんな顔をして


すぐに思い出したような顔をした。



…え？
忘れ…え？


『頑張りましょうね、ドラマ。』
「…は。はい。」



貼り付けたような笑顔を振る舞う彼


……


誰、この人。

私の知ってる吉沢亮じゃない



7年前、私が出会った時の彼じゃない



「…」


監督:じゃあ、お亮も揃ったところで始めんぞー



監督の指示のもと出演者やスタッフの挨拶が始まった。

福田監督、吉沢亮、そしてラブコメ。
その三拍子揃ってこのドラマはかなり気合が入っている。



AD:そしてヒロインの藤野A役、ユリさんです！

「このような作品に関われて光栄です。夏の日曜を盛り上げられるよう頑張りますのでよろしくお願いします。」


監督:好きな食べ物はなんですか？


え？
好きな食べ物？は？
福田監督ってこんな感じなの？


「チョコレートが好きです。」


監督:お〜じゃあ皆さん、差し入れはチョコレートのみでお願いしますね！



ドッと笑いが起きた。

いや、笑えない
今の今まで忘れてた


連ドラって差し入れ出るんじゃん…

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