スターラブレイション 【吉沢亮】

episode49 ページ49

ワイドショーは連日生放送の映像と共に二人の関係を報道した

' ドラマを機に距離が深まり親密な関係に '
' ユリさんが長年想いを寄せて吉沢さんと関係を持った '


ありもしない盛りに盛ったことをまるで真実のように、その場の当事者のような口ぶりで司会者は番組を進める




"所属事務所は交際を否定、友人の一人と発表しております。"



数ヶ月ぶりに帰ってきた自分の部屋で
自分の話題が自分の知らないところでどんどんと膨張しているのを目にした


……面白いんだ


番組は専門でもないコメンテーター達にコメントを求め、意見を述べさせる

芸能人としてあるまじき行動
プロ失格

私と会ったことも話したこともないのに何故そんな事言えるのか
テレビ上の私なんて作られたものでしかないのに


「…」


家にいるのに家ではない
リラックス出来る瞬間が無い

もうテレビに出演出来ないのではないか

怖かった
女優を続けたい気持ちと
気持ちとは裏腹に伴わない自分の実力


一日中、電気を点けずに閉じこもる日々


テレビだけはずっと点けっぱなしで
画面には炭酸飲料、航空会社、賃貸物件、化粧品メーカーなど沢山の私が映る




魔法をかけられたシンデレラは
ガラスの靴も、煌びやかなドレスも魔法が解けて



再び灰被り姫へと戻る。





・




MG:じゃあ亮、今日は映画のPRイベントがあるからよろしくね


『…ん』


MG:あの子に関しての質問は一切スルーするよう社長から言われてるの忘れないで。いい？


『…』



PRイベントの後の囲み会見。
記者がわんさか集まるそうだ


…

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