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episode9 ページ9

カランカラン…




バーを出て、足を家の方へ向けた

『下まで送ります。』
「いいよ、明日も仕事でしょ?」
『危ないですよ、奥さん綺麗なんですから』


…本当にどこまで優しいんだ?
サラッとそんなこと言えるんだから、彼は本当にモテるんだな


『もう夏ですねー…』


肩が当たるか当たらないかの距離

無駄にドキドキするのは
さっき重ねられた手のせいだ

それともさっきのカクテルのせい?
いや、度数低いみたいだし…
しばらく飲んでないから弱くなったのかな?


『大丈夫ですか?』

彼が横から顔を覗き込んできた

「ちょ、ちょっと悪酔いしただけだから」

一歩反対側の方に寄った

ダメ、ダメだ
今こんなイケメン横にしたら、まるで…


まるで…


「…ねぇ、」


足を止めると少し前を歩く彼が振り返った

『なんですか?』


「何でさっき、あの人が残業してるって嘘ついたの?」









『それは…』



prrr…



「…もしもし」

"A?ごめん、今日残業終わらなさそうだから先に寝ておいて?"







あぁ、
私はとうの昔に裏切られてたんだ



"A?"
"ちょっと、課長ー?"

"うるせえな、もしもし?"

「…うん、分かった。仕事頑張れ〜」


ピッ


…いくつなんだろう
あの人の好み、全然分からないや

声高かった

女の方がよく分かってる
男は否定するけど、女は若さが一番の武器だ

現に昼のワイドショーではトップアイドル様ですらひと回り年下の女の子とすっぱ抜かれてた


「…」
『…歩けますか?』
「意味分かんない、意味分かんない、歳ぐらい人間だからとるに決まってんじゃん!!」


私だって若いままがよかった
もっと仕事したかった
もっと恋愛したかった






ギュッ…


「…」
『…怒らないですか?』



抱き締められた瞬間、温もりを感じた
何でこの人は分かるんだろう

私が誰かに抱き締められたいとか

私が苦しんでることも


「…お酒回って振りほどけない…」


28にもなってこんな嘘をつくとは思わなかった


それでも彼は

抱き締めたまま、私の耳元で笑ったんだ







『今晩だけ、僕といませんか?』





「……いいよ…」




少し口角を上げて笑う彼は
まるで私を嘲笑うようだったが

私はその笑顔にゾクゾクしてしまった

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設定タグ:吉沢亮 , 神木隆之介 , 俳優   
作品ジャンル:恋愛
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ゆりひめ(プロフ) - 「あなたがいればいいのに」という歌はお亮がMVにも出てて切ないのでオススメです!!! (2018年9月3日 20時) (レス) id: c0a76fbe4f (このIDを非表示/違反報告)
桃香(プロフ) - 何というかなんて言えばいいかわからないんですけど一言で言うとありがとうございます!!!!(涙) (2018年8月26日 14時) (レス) id: f6fc303306 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - はじめまして。いつも更新楽しみにしてます。吸血鬼な吉沢くんとそんな彼を好きになる女の子のお話がみてみたいです。 (2018年8月26日 12時) (レス) id: 75c59d31d8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - はじめまして。いつも更新を楽しみに読ませていただいています!学園もので地味な吉沢くんと人並みの女の子のお話がみたいです!途中で女の子が吉沢くんの顔の端正さに気づくような描写があると嬉しいです (2018年8月25日 18時) (レス) id: e1fba8a6a9 (このIDを非表示/違反報告)
カリン(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!超ドSなお亮が見たいです! (2018年8月25日 14時) (レス) id: 8750cc74ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:君との時間。 | 作成日時:2018年8月15日 15時

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