真っ白な未来 ページ36
喧嘩は何度もすることあった
ただ一方的に私が怒って
吉沢君が私が頭冷やすのを待ってくれていた
ごめん、っていうと
いつも「おかえり」
笑って抱きしめてくれた
・
転機が訪れたのは
大学3年生の冬だった
ザワザワ…
「…」
' 今日は自分の未来予想図を描いてください '
教授が今日来て
私たちに真っ白な用紙を配布した
「(友人)、何か描けた?」
(友人):ん。金融業でバリバリ働いて結婚やなー
…
神木:俺は海外で働いてみたいかな〜
私は
何も描けなかった
真っ白な紙に何も埋められなかった
(友人):でもA成績悪無いんやから大手でも全然いけるんちゃん?
食堂で(友人)ちゃんに相談したらその返答が返って来た
「…でもやりたい事がないの」
この大学を選んだ理由も、
自分の偏差値に合っていたからだ
(友人):吉沢は?
「…」
『出版社に魅力感じるかなー』
(友人):うわあ、言いそうやわ。よう本読んでるもんな〜
吉沢君は何でもそつなくこなす人
暇があれば映画や読書をしている
私は…
(友人):映画関係とかは?映画好きやん
「…作るのには魅力感じなくて。」
(友人):…就きたい職業に就ける人間の方が少ないて。そんな考えんなって!
時折、感じることがあった
劣等感
歳を重ねるごとにそれがどんどん積み重なっていた
(友人)ちゃんみたいに行動力があるわけじゃない
神木君みたいなユーモアで人当たりがいいわけじゃない
…私は
吉沢君の未来予想図に存在するのかな?
・
『…将来?』
「うん、専業主婦にしようかな〜」
吉沢君の部屋で今日の話をした
将来の話はたまにしかしないから、ちゃんと話すのは今日が初めて
『俺、そんなすぐ結婚するつもりないけど。』
コーヒーを焚きながら彼は私に言った
…言うと思ってたし。
「…吉沢君は何で出版社に勤めたいの?」
『書く側の人間と深く関わってみたかったんだ。作る側の人間として。
ん、砂糖2個。』
「…ありがとう」
ギシッ
ソファーに腰掛け、横並びでコーヒーを飲んだ。
…何でそんなに皆明確な夢があるの?
私は映画を観ても、本を読んでもそんなことまで考えていない
『クリスマス、どこ行きたい?』
「…あぁ、もう来週だね」
テーブルの上にはクリスマス特集の雑誌。
『A、ディズニーランド行きたいって言ってたじゃん。行く?』
「………ごめん…」
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ピュレ子。(プロフ) - Twitterの頃からのファンです。こうして君との時間。さんの作品をまた読むことが出来て嬉しいです。これからも応援しています。 (2018年9月3日 21時) (レス) id: ed2bf72aea (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - いつも楽しみに読ませて頂いていたお話が終わってしまって寂しい反面、ハッピーエンドの展開良かったです!次のお話はコンビニ店員の話希望します◎次回も楽しみにしてます! (2018年7月30日 0時) (レス) id: fd3ddb9b33 (このIDを非表示/違反報告)
S&G(プロフ) - コンビニですね! (2018年7月29日 23時) (レス) id: 176a693eed (このIDを非表示/違反報告)
かな - 両方見たいですが、年の差が見たいので前者で! (2018年7月29日 23時) (レス) id: d49b5e87b2 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ハッピーエンドがいいです、 (2018年7月28日 10時) (レス) id: cc804e6f7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:君との時間。 | 作成日時:2018年7月14日 15時