夢で逢う Ryo.Yoshizawa

温泉地 ページ23

ガタンゴトンッ…



"A、ポテチいる？"
「いりまーーす！」

6月中旬、
初のサークルで温泉へ。

電車で1時間半、街中の景色は田畑に変わっていく
これだ。
こういうのを私は待っていたんだ

"吉沢君爆睡だねー"
「ですねー」


窓側の席で爆睡してる吉沢君。


"本来なら写真撮りたいけど怒るもんなぁ〜"

そう。
吉沢君はカメラ嫌いで有名になった

大学の中で写真を撮る機会なんてしょっちゅうある
まさにこの時期なんて頻繁にある

なのに吉沢君は一度も写真に写らない


"綺麗なのに勿体無いなあ"
"でもこの間話してる時に言ってたぞ？"

男の先輩が口を開いた
この人は、吉沢君と仲が良い
何しろ同じ高校の先輩らしくよく一緒にいたって


"宝石も見つからなかったらただのガラス玉なんですよって"


…
まるで自分のことみたいじゃん。


"こいつ、この見た目だから彼女途絶えた事ないのな。"
"まー憎たらしい！"


吉沢君は、人見知りだ。

人見知りでインドア、一人の時は必ず真っ黒なイヤホンをしている

この人この顔だからそんなんでもモテるんだろう。



"まあ、付き合っても長続きしないけど。亮がこの性格だから。"
「…この人高校の頃からこの性格なんですか」
"うん。男友達は割といるけど、女友達はいなかったな〜"

うわあ…
ブサメンだったら終わってる世界だわ

"告白される事しかなかったかなー"


シソンヌ先輩から貰ったお菓子をシェアしながら、寝てる人の過去話。

いや本当にこの人よく寝るな？



"あ、でも一時期噂になったわ。"

「噂？」

"亮が片想いしてる子がいるって"

片想いのA子ちゃん→←吉沢君の好きな人

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