夢で逢う Ryo.Yoshizawa

目覚めたら ページ20

目覚めたら、朝だった



コンタクト入れたまま寝てたわ…

吉沢君のTシャツとスウェット借りて

フローリングの床に座って
映画観ながらデリバリーのピザ食べて

買ったお菓子食べてもう一本映画観て


…起きたら朝。


「…吉沢君？」

起きたら吉沢君の姿はない

というかまともにベッドでちゃんと寝てなかったはずなのに、何故か布団きて寝てた。


…あーーー運んでくれたのかな？
待ってそれならときめくしかない。



とりあえず顔洗おう…
つーか私普通に吉沢君にスッピン晒せたの奇跡じゃん。


洗面台をお借りし顔を洗い、床に散らかったままの昨日のお菓子のゴミを片付けた


ガチャッ


『おはよ』
「おはようございます…」
『朝ごはん、買ってきた』


今日が土曜日なのは、幸せだ。

9時に起きても誰にも怒られない


ガサガサ…


「え、朝ごはんレンチンご飯？」

コンビニの袋の中にはレンチンご飯、サラダチキン、菓子パン。


『一人なのに炊飯器いらないでしょ』

私も無いけど…
吉沢君食べ盛りなのにレンチンは身体に良くないじゃん？


『何か作れるの？』
「え？卵焼きしか作れない」
『それでいいから作ってよ』


えー…
まず卵焼き作れるかすら怪しいんだが。


『待ってるから』


そう言ってベッドであぐらをかいてテレビを見始めた

…まじか。




ジューーーーッ…


卵焼き、鶏がらスープなんて入れるのうちの家ぐらいだよなぁ…

家庭の味って言うし。
甘い卵焼きがあるの、友達に言われるまで知らなかった


………私なにやったんだ？？？？


吉沢君の家で吉沢君の服着て？
吉沢君の朝ごはん作ってんの？？？？

お前何してんの？

彼女でも無いのにアホか。



コトッ

『…』
「ちょっと崩れちゃったけど、味はいけると思う！」

卵に地図上のシミが出来たみたいな醤油柄よ…


ご飯をチンして、インスタント味噌汁と私の作った卵焼き。
吉沢さん、諦めて美味しい昼ごはん食べてください。




『いただきます』
「不味かったら吐いていいから！」

そんな私の忠告を無視して、口に運ぶ吉沢君。



『卵焼き、初めて食べた。』
「え、本当？」
『…しょっぱいけど嫌いじゃない』



その時嬉しかった


彼の数ある経験の中で
初めてと言ってもらえる経験のうちの一つが


私が関わっていたことがあるなんて。

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