149話 ページ12
Aside
リリアサンはなんて言ってたっけ。
ふわふわとろとろのオムライスだったっけ。
目の前のぐつぐつどろどろの黒いダークマターを前に、俺はそんな疑問を浮かべる。
リリア「ささ、遠慮はいらんぞ!」
どうやらこれは、リリアサン曰くオムライスらしい。
このオムライス、オーバーブロットしてるけど大丈夫?
なんか呻き声とか聞こえるけど。
隣のシルバークンに視線を向けると、スッ…と目を逸らされた。
スプーンを手に取り、オバブロオムライスをすくいとる。
グヂュッという音が聞こえた。
きっと半熟のオムライスなんだね。うんうん、大好き。
『……いただきます。』
スプーンを口に入れる。
ガリッモギュッグヂャッ
口の中から凄い咀嚼音がする。
味は……なんだろう。辛いのか甘いのか苦いのか、よく分からない。
でも、食べたことの無い味であることは確かだ。
リリア「どうじゃ?どうじゃ?口に合ったか?」
『んん…まあ、美味しい……のかな…。』
もう一口すくって食べてみる。
シルバ「!!」
うん、これはこれでいけるかも。
オムライスの味は全然しないけど、俺がオムライスのことをよく分かっていないだけで、本来はこういう味なのかもしれない。
シルバ「…ほ、ほんとに大丈夫なのか?」
『うん、この世の物を詰め込んだ味がする。』
リリア「そうかそうか!気に入ったなら良いのじゃ!まだまだあるから、ゆっくり食べると良い♪」
そう言ってリリアサンは厨房へと姿を消した。
『シルバークンは食べないの?』
シルバ「いや、俺はいい。」
じゃあ貰っていい?と問うと、少しホッとしたような顔をしてオバブロが乗ったお皿を差し出してくる。
シルバ「Aの味覚も変わっているんだな。」
『?普通だと思うけど…。』
確かにリリアサンのオムライスは、見た目こそ酷いけど。
味はそこそこいける。
シルバ「そうか…。良かったら、また食べに来て欲しい。そうすれば、親父殿…リリア先輩も喜ぶからな。」
『そうだねー。また食べに来ようかな。』
こうして俺は、時々リリアサンの手料理を食べに、ディアふんちゃら寮や大食堂へと遊びに行く回数が増えた。
マレ「…A、僕の分もやろう。」
シルバ「…良ければ俺の分も食べて欲しい。」
リリア「これ、自分の分は自分で食べんか。」
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澪(プロフ) - ケイトサン♢•ᴗ-と俺ᐡ ᴗ̤ ̫ ɞ̴̶̷ ᐡ♡の仲( ◜ᴗ◝)人(◜ᴗ◝ )は♢ダイヤモンド♢級☆大作戦( *´艸`) ←これ好き (9月6日 4時) (レス) @page41 id: 36ccf2edd0 (このIDを非表示/違反報告)
焼そば - 五本指のハロウィーンの妖精、マラカス…wwww面白すぎて涙が…wwずっとツボってますw (2023年4月2日 23時) (レス) @page20 id: 3f9059dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
満月らすと(プロフ) - ここまで面白い作品を……っ!こればかりは才能なのか………!訳・めっちゃ面白いです (2023年3月19日 20時) (レス) id: a194145079 (このIDを非表示/違反報告)
てら - 面白すぎて一気読みしました。もう腹がはちきれるくらい笑いました!最高すぎます!!! (2023年3月14日 21時) (レス) @page38 id: 7659b4b015 (このIDを非表示/違反報告)
アイヒビ - この作品私の中で一番面白くて好きです! (2023年3月10日 22時) (レス) @page30 id: 8f1774081f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トマトマヨトマメトマト | 作成日時:2023年2月24日 20時