198話 ページ17
Noside
アズールは海より深いため息をつく。
何故僕がコイツの相手をしなくちゃならないんだ。
目の前でピコピコと靴を鳴らすAを見ては、またため息をついた。
アズ「今からフロイドを呼ぶので、そちらに行ってもらえますか?僕は忙しいので。」
『アズクゥン、そんな冷たいこと言わないでよ〜。』
スマホを取り出したアズールの腰にAが引っ付く。
なにやらいつもより元気が無い様子。
『最近さぁ、みんな寮長になって全然俺に構ってくれないの。何?俺より仕事の方が大事?』
アズ「大事。」
『おっとアズクン。慈悲の心落としたよ。』
Aはアズールのお腹に回した腕に力を込める。
アズ「ちょ、痛いです!!わかりました、フロイドが来るまで構ってあげますから離れてください!」
アズールがそう言うと、Aは大人しく離れた。
随分聞き分けがいいAに、アズールは拍子抜けになる。
いつもなら足も絡めてきたり、眼鏡を取ったりと、何かしらアクションを起こすのだが。
『………。』
今日は本当に落ち込んでいるように見えた。
アズ「はぁ……仕方ありません。ほら、ソファに座ってください。今日は仕方なく、僕が慈悲の心で話を聞いてあげましょう。」
アズールはソファに座って、隣をポンポンと叩く。
Aはピコピコとソファに近付いた。
アズ「そこじゃない。」
そしてアズールの膝の上に座って胡座をかいた。
『最近、みんなの雰囲気が暗いなって思うんだ。』
アズ「話を進めるな。」
『リドルはユニーク魔法使いすぎだし、アズクンは仕事ばっかしてるじゃん?イデアサンも寮長になってからは、前より外に出なくなったし…。』
アズールは諦めて、静かにAの話を聞く。
こんな奴でも、周りをよく見て心配してるのか…。
Aの背中が縮こまっていくのを見て、アズールは無意識に、Aの頭に手を添えた。
不服だが、別に嫌いな訳では無い。
僕も絆されてしまいましたか……。
アズールは心の中で自分に呆れた。
『そしてなにより…』
『ツチノコが全然見つからないんだ………。』
アズ「………は?」
ツチノコ?いつからそんな話になった?
『どれだけどれだけ探しても、見つかるのはジェイドかフロイドばっか。お宅の寮生どうなってんの?』
アズ「知るか。」
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桃(プロフ) - イグニコールめためた面白くてゲラゲラ笑ってましたww小説でこんな笑ったの初めてですw応援してます! (2023年5月17日 0時) (レス) @page4 id: 6a25fafd93 (このIDを非表示/違反報告)
怜央(プロフ) - オルト君がオバブロするのもすごいのにカーチェイスで戻すなんてさらにすごい…。やっぱり、作者様の脳内は私の考えなんて足元にも及ばないほど面白いですね。好きです。 (2023年4月6日 21時) (レス) @page46 id: 8acdf4d0f3 (このIDを非表示/違反報告)
ただの一般人 - オクタ回収…。す…すげぇや姉貴…(?)(小並感)自分のペースで、どうか無理だけはせず…。ツムツム頑張ってください! (2023年4月6日 1時) (レス) @page45 id: 3f9059dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
ポラリん。(プロフ) - オクタ回収出来たんですか!? ヴァネッサさん出たけどオクタ未だゼロです、、頑張ってください! (2023年4月5日 3時) (レス) @page44 id: 7cbb01627a (このIDを非表示/違反報告)
hareotomiya0108(プロフ) - ツムツムなら仕方ないですよね頑張ってください! (2023年3月31日 3時) (レス) @page42 id: cc5d6355d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トマトマヨトマメトマト | 作成日時:2023年3月22日 12時