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「まぁ、今俺から話せることはこんくらいかな」
「……大体は…理解した。」
ホークス曰く、私が捕まえた男に話を聞いて言ったところ、これまた面倒な個性持ちの敵が出てきたらしい。
なんでも、「自身の見た夢を現実にする事が可能」な個性らしい。ただ、個性の詳細は未だ不明。自身の仲間内にも詳しいことは話していなかった。との事だ。
分かっているのは能力だけ。発動条件や"夢"がどのようなものを指すのかもわかっていない。
いや…にしてもチートすぎん？なにそれ、私の個性も使いようによってはチート並になるのは自負してる。けどさ？夢を現実にって、、
「まぁ…今はまだ様子見らしいから、そこまで深く考えなくていいよ」
「うん。」
「でも、そういう奴がいることは覚えといてね」
そう言って私の肩を軽く叩くと、ホークスはそのまま部屋を出ていった。うぅん、悩ましい。
公安はなんで"今"私に情報を流したんだ？もし仮に私の個性が使いたいだけなのならば今じゃなく、もっとギリギリでも良かったはずだ。
もし仮に、なにか理由があって今情報を流したのだとしても、何故私なんだ？緑谷やエンデヴァーに話をするのはまだ分かる。
ただ、"NO.6ヒーロー"とかいう微妙な立ち位置である私に、今、この話をするのは少し変な感じがする。
「………何か、"私"に早めに伝えないといけなかった理由が、？？」
「此処に居たか。」
「わ、踏陰?!」
「？？すまない、驚かせてしまったか」
「あぁ、いや…パトロール帰り？お疲れ様」
いつもの如く、ぐるぐると考え事をしていたら、突然後ろから話しかけられた。
もしここに爆豪がいたら、また怒られたんだろうな……
『事務所だからって気ぃ抜いてんじゃねぇぞ！！サボり魔女ァ！！』的な？
うわぁ、めっちゃ嫌。いや、でも今のは踏陰だって分かってたから戦闘態勢に入らなかっただけで？
別に気を抜いてた訳では無いから。うん。
「Aー！ダイジョウブカ?!」
「うん、大丈夫だよ。」
心配してくれてありがとう。と、感謝を述べて黒影の頭を軽く撫でると、嬉しそうに目を細める。
うむ、可愛い。
黒影を愛でたい気持ちを一旦押し殺して踏陰の方を見ると、踏陰はなんとも言いづらそうにしながらも口を開いた。
「先程、ホークスが夕飯に誘ってくれたのだが……」
「私は行きたくないでーす。」
「はい、強制送還ね」
「げ、ホークス?!」
続く
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作者名：虹色ラムネ | 作成日時：2023年10月6日 21時
