蘇る記憶と痛み ページ10
_
you side
「可愛い可愛い私のA」
お母さんの言葉が頭の中でぐるぐる回る。
「貴方は私と彼の子供なの、強くなくてはいけない」
嫌だ
「Crucio (クルーシオ / 苦しめ) 」
『ッ、おか、さ…っ…』
息苦しくて、飛び起きた。
自分でも分かるくらいに心臓がバクバクしていてうるさい。苦しい。
「A？」
医務室の入口から、丁度来てくれたであろうドラコが心配そうにこちらを見ていた。
「急に倒れたと聞いて…顔色が真っ青じゃないか、今すぐ先生を…」
『ドラコ、お願い…大丈夫だから、そばにいて』
「！」
ドラコは、ベッド横の椅子に腰掛けて手を握って、私の頭を自分の胸に抱き寄せて、そのまま優しく頭を撫でてくれた。
どくどくと、ドラコの心臓の音がする。
その心臓の音が心地よくて、さっきまでうるさかった心臓が嘘みたいに落ち着いた。もう、苦しくもない。
『ごめん、ありがとうドラコ』
「落ち着いたか？」
『うん、だいぶ』
良かった、と笑ってくれるドラコ。
「A？大丈夫？」
『ハーマイオニーに、ハリーとロンまで…』
「授業があったから、ずっとついてあげられなかったけど、目が覚めたみたいで安心した」
ドラコへチラッと視線を向け、若干嫌な表情を見せた３人だったが、私へ視線を戻して優しく笑ってくれた。そんな３人へ言葉を返そうとした、その時だ。
「…Aの事を運んでくれたと、聞いた。僕からもお礼を言わせてもらう、ありがとう」
「「「？！」」」
私より先に口を開いたのは、隣に座るドラコだった。私より、３人の方が驚きを隠せていない。
「いや、…え、君 本当にマルフォイなの？」
「僕の口から感謝が出てくるのがそんなに珍しいか？」
「そりゃ、もちろんだろ」
ばちばちと、目には見えないけど火花が散ってみえる…！
『と、にかく、みんなが運んでくれたのね、ありがとうハリー、ロン、ハーマイオニー』
「いいんだよ、気にしないで」
そこからしばらく３人とお話をして、また後でお大事にと暖かい言葉を残して先に医務室から出ていった。
『私達もそろそろ戻ろうか』
「…本当に大丈夫なのか、身体…」
『…うん、ドラコがいてくれたからもう大丈夫！』
「！そうか、じゃあ…戻ろう」
そこへタイミングよく入ってきたマダムポンフリーへもう大丈夫なことを伝え、ドラコと談話室へと戻った。
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 222人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななな - めっちゃ面白いですね！これからも頑張ってください‼︎ (4月22日 16時) (
レス) id: 1bbeced387 (このIDを非表示/違反報告)
りかこ(プロフ) - 素敵な作品に出会いました。今日一気見しちゃいました！ここからどんなストーリーになるのか、ドラコとどうなっていくのか気になります！更新頑張ってください。応援しています！ (2月13日 16時) (レス) @page2 id: d00547c92a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リン | 作成日時：2024年2月12日 20時
