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「大丈夫」と小声で返されて、Aはそのまま膝を抱えて蹲み込んだ。
その態度がなんか面白くなくて言い返そうとしたとき、木の向こうから「あたしのこと、嫌いですか？」と確信をつくような山岸由花子の声が聞こえ、思わず顔を上げる。
そんなセリフ、もう答えをせっついてるようなもんじゃあねーか。
なかなか積極的な女だぜ、山岸由花子。
「え？あ、あの、嫌いって？いきなり…そ、そんなことはないですけど…」
「好きですか？」
「えっ！ちょっ、ちょっと待って…そうじゃなくて…」
直球ストレートに返事を求めてくる顔は、さっきまでのしおらしさなんてもんは欠片もねえ。
むしろいつまでも優柔不断な康一に苛つき始めたのか、眉根が寄り始めている。
何だか変な雰囲気になってきやがったと思ったら、唐突に山岸由花子が立ち上がってカフェのテーブルを思い切り肘で叩いた。
「どっちなの？！あたしのこと！愛しているの？！愛していないの？！さっさと答えてよ！こんなに言ってるのに！！」
「えっ？！」
「あーー！コーヒー溢したわ！あんたのせいだからね！」
縦に揺れたテーブル。
白いクロスに、自分で頼んだコーヒーがひっくり返って黒いシミになる。
それを見てさらに激昂する顔は、さっきまでの女とはまるで別人みてーだった。
康一はもちろん、影で見てた俺らまでその様子に緊張して言葉を失う。
さっきまで盛り上がってた億泰も何も言えねーのか黙っちまったし、Aも驚いて座り込んじまっていた。
降り立った沈黙に我に返った山岸由花子は、今度は顔を歪めて泣き始め、康一に謝罪し始める。
あまりのテンションの上がり下がりについていけねーぜ…
まるでジェットコースターみてーな女だ。
「な…なんかよ…膨らんだ風船が萎んじまった気分だな…康一の幸運だとか、俺の羨ましいだとかの気持ちは…」
同じく我に返った億泰が完全にびびって眉を潜めてる。
確かに、これでそのまま二人が付き合うってんなら、明日学校で康一を冷やかしてやろーかと思ってたが、さすがに今回のは触れねえ方が得策かと思った。
すっかり座り込んじまったAの腕を掴んで立たせ「康一には知らんふりしてよーぜ」と3人で共通認識を固める。
山岸由花子は最後の最後に、あれだけ喚いて泣いておきながら「また会ってくれますよね」なんつー身勝手なことを言って消えた。
恐ろしいもんでも見たみてーに(実際その通りだが)、固まり続ける康一を残して、俺たちもその場を去ることにした。
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まゆげ - とても面白くて�，�らイッキ見しちゃいました！まってます❤︎ (1月10日 14時) (
レス) @page41 id: 0d6506373d (このIDを非表示/違反報告)
らりら(プロフ) - 度々読み返してます！更新楽しみにします！無理のない範囲で頑張ってください！応援しています☺︎ (8月12日 23時) (レス) @page41 id: 70cf89f8ce (このIDを非表示/違反報告)
よる - めちゃくちゃ女の子の設定が大好きです！！いい感じに狂ってる異常性が好みです！！ありがとうございます！ (7月5日 11時) (レス) @page41 id: a8f28a0fa7 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - とても面白いですね！！自分ジョジョが大好きなのでとてもありがたいです！！無理のない程度で更新頑張って下さい！！ (2023年2月15日 23時) (レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 大豆太郎さん» 書き込みありがとうございます。1番好きと言っていただけてとても嬉しいです。更新はとても遅いのですが、気楽に、お暇な時にでも覗きに来ていただけますと幸いです。よろしくお願いします。 (2022年9月29日 17時) (レス) id: a1dae06abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年9月29日 20時
