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俺もすぐに帰って寝ようと思ってたけど、どうにも胸の奥の方がモヤモヤして、億泰と別れたその足でAの家の方へ歩き出した。
昨日今日と、家に電話してもAは出なかった。
まあ、あんまりAんちに電話かけることも、今までなかったけどよ。
つーか、そもそもあいつが体調不良ってのが珍しすぎる。
廊下に落ちてた髪も気になるし、もしかしたら由花子と何かあったかもしれねーしなあ。
具合が悪いなら何か持って行くかと、近くのコンビニでアイスを買った。
小さなビニール袋をぶら下げて歩いていたら、Aの家のそばの公園まで来た。
何の気なしにその公園へ視線を投げた。
そういや、ここがAと始めて会った場所だったよなあ。
入り口が一つしかなくて、住宅街の隙間に作られましたと言わんばかりの、縦長の公園。
小さなベンチと、簡素な公衆トイレくらいしかなくて、遊具も何もない。
その公園の奥の方、公園建設と一緒に植えられた銀杏の木の根本んとこに座り込んで泣いてたんだっけ。
懐かしさに負けて公園に入って、銀杏の木の側まで来た。
見上げりゃ随分大きい。
ガキの頃はもうちょっと細かったような気がする。
ぼんやりと緑色の特徴的な葉を見つめていたら、ふと、木の裏に誰かが座ってるのに気がついた。
一瞬ビビって肩を揺らしちまったが、細い足首と見慣れた制服からしてぶどうヶ丘高校の女子生徒らしかった。
恐る恐る木の表側から顔だけ覗かせれば、大きな幹に背中を預けて、そいつは呑気に寝てやがる。
短い黒髪が風でさらさら揺れて、そのシルエットから最初は知らねー子かと思った。
けど、次に吹いた風が髪をさらって、俯きがちの顔が露わになる。
「…A…？」
見慣れた長い髪は、肩に触れる程度までバッサリと切り落とされていた。
蹲み込んでよくよく見れば、その頬には乾いた涙の跡も見えて。
何でこんなとこで寝てんだ、とか。
具合が悪いんじゃあねーのかよ、とか。
いろんなことが浮かんだけど、もう小せえ頃からの習慣みてーなもんで、俺はポケットから出したハンカチでAの目尻に残ってた涙を拭った。
少し擦れた肌に、Aは寝たまま眉根を寄せたけど、まだ起きるそぶりは見せねえ。
まじまじとこいつの顔を見つめるのは初めてかもしれねーし、色んな疑問が浮かんで考えはまとまらねーけど、正直な話、気分が良いもんじゃあなかった。
女が髪切る時って、失恋、だよな。
泣いてるし、そう考えるのが妥当なんだろうな。
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まゆげ - とても面白くて�，�らイッキ見しちゃいました！まってます❤︎ (1月10日 14時) (
レス) @page41 id: 0d6506373d (このIDを非表示/違反報告)
らりら(プロフ) - 度々読み返してます！更新楽しみにします！無理のない範囲で頑張ってください！応援しています☺︎ (8月12日 23時) (レス) @page41 id: 70cf89f8ce (このIDを非表示/違反報告)
よる - めちゃくちゃ女の子の設定が大好きです！！いい感じに狂ってる異常性が好みです！！ありがとうございます！ (7月5日 11時) (レス) @page41 id: a8f28a0fa7 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - とても面白いですね！！自分ジョジョが大好きなのでとてもありがたいです！！無理のない程度で更新頑張って下さい！！ (2023年2月15日 23時) (レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 大豆太郎さん» 書き込みありがとうございます。1番好きと言っていただけてとても嬉しいです。更新はとても遅いのですが、気楽に、お暇な時にでも覗きに来ていただけますと幸いです。よろしくお願いします。 (2022年9月29日 17時) (レス) id: a1dae06abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年9月29日 20時
