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すっかり家が見えなくなったら、私は近くの公園の公衆トイレへ入る。
そこでいつも簡単に化粧して、香水を薫らせる。
もちろん校則があるから、ばっちりメイクじゃあないけど。
肌が白い方が良くて、唇はオレンジ系統で、マスカラは目じりと下まつげにちょっとだけ。
爪は丸く整えてマニキュアはしない。
スカートは3回くらい捲って、髪は背中の半分までくる長さ。
それもこれも、長年仗助といて得た情報だ。
我ながら気持ち悪いと思う…うん。
でも、仗助が化粧のケバい子を見て「うへえ」って言ったり、真っ赤なネイルを見て顔を顰めたりしたら、その路線は私の中から消える。
髪の毛も「うちのおふくろ気が強いだろ。髪も短いし」と「やっぱ女の子らしい見た目が大事だよなー」っていう言葉から三段論法で導き出した。
彼の何気ない言葉を聞き取って、少しずつ、少しずつ私が出来上がっていくのは、やっぱり異常だと思うから、これは絶対に本人には言えない秘密。
くすんだ鏡の中の自分をチェックして、公園を出る。
あとは、亀ほど遅い足取りでいつものバス停まで歩くだけ。
仗助と億泰が来るまで、きっとあと20分以上ある。
それまでの時間は、バス停のそばのベンチでただぼんやりと空を見上げて過ごすのだ。
「仗助の負け。リンゴジュースお願いしまーす」
「俺はカフェオレね〜」
「おいおいおめーは自分で買えよな！」
学食へ行く道すがら、また飲み物ジャンケンで負けた仗助が悔しげに道を逸れていく。
それを追いかけて、どさくさに紛れて自分の分も買わせようとする億泰が、彼の猫背を追いかけて行った。
先に学食へ行って席でも取っててあげようかなと、彼らの背中が見えなくなるまで見送ったあと、くるりと方向転換する。
すると、思わぬ近さに誰かが立っていた。
「うわ？！」
驚きすぎて普段出さないような声が飛び出る。
慌てて飛び退く私を冷めた目で見つめるのは、昨日の放課後も同じように仁王立ちで見下ろしてきていた、あの美人さんだった。
「あなた、昨日の私の話聞いてなかったのかしら」
般若も劣るほど眉がつり上がって、心做しか彼女の髪がうねっているように見えた。
漫画みたいな、怒髪天をつく。まさしくそれだ。
昨日の話を思い出そうとするけど、興味がなかったからあんまり詳細まで覚えてない。
確か仗助に近寄るなとか、そんなだった気がする。
「それ、私断ったと思うけど」
聞いた聞いてないじゃあなく、聞く気がない。
だって理不尽すぎる。
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まゆげ - とても面白くて�，�らイッキ見しちゃいました！まってます❤︎ (1月10日 14時) (
レス) @page41 id: 0d6506373d (このIDを非表示/違反報告)
らりら(プロフ) - 度々読み返してます！更新楽しみにします！無理のない範囲で頑張ってください！応援しています☺︎ (8月12日 23時) (レス) @page41 id: 70cf89f8ce (このIDを非表示/違反報告)
よる - めちゃくちゃ女の子の設定が大好きです！！いい感じに狂ってる異常性が好みです！！ありがとうございます！ (7月5日 11時) (レス) @page41 id: a8f28a0fa7 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - とても面白いですね！！自分ジョジョが大好きなのでとてもありがたいです！！無理のない程度で更新頑張って下さい！！ (2023年2月15日 23時) (レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 大豆太郎さん» 書き込みありがとうございます。1番好きと言っていただけてとても嬉しいです。更新はとても遅いのですが、気楽に、お暇な時にでも覗きに来ていただけますと幸いです。よろしくお願いします。 (2022年9月29日 17時) (レス) id: a1dae06abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年9月29日 20時
