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「ですが」
出会った頃から毅然として態度や表情を崩さないAという女は、顎を捕まれ上を向かされても尚、依然として静かに見上げてくる。
カワイイのに色がないというか、なんだかキリサメちゃんみたいなタイプだよね〜
「足を引きずるなら木を登るのは無理でしょう。それより、今は別の生き物に注意を払った方が得策だと思います」
「…別の生き物？」
「ネズミとか」
…確かに。
毎年暖かくなると、ネズミの被害が増える。
ネズミは不潔だし、噛まれれば具合を悪くする者が一定数いるのも事実。
でも、どうしてそれが分かった？
「みんな軒下に食べ物を保管してるでしょう。小屋の底にねずみ返しもない。暖かい気候で果物は甘い香りを放つ。格好の餌食です」
「…」
「もちろん、宰相であるあなたは、ご存知でしょうけれど」
モズ君が居る手前、それを否定するのは沽券に関わる。
おじちゃんのことを立てて取り入ろうとしてるのかは分からないけど…
「最初のお仕事合格だよ。気付くか試してみたけど、優秀でイイネ！」
相変わらず信用は出来ないし、何かを企んでいるかもしれない不思議な女の子。
記憶がないのも鵜呑みにするわけにはいかない。
けど、まあ、うまく丸め込めば役に立つほどには頭がいいみたい。
顎に添えておいた手を離してあげれば、居住まいを正して座り直すAちゃん。
真っ直ぐ見てくる真っ黒な瞳は、この島にいる他の子達となにも変わらないのに、何か畏怖のようなものを感じる。
「…今日はもういいよ。モズ君、Aちゃんを連れて行って」
そうだな、どこからでも目の届く場所。
1度ここから落ちて抜け出したと行ってたけど、真偽はおいといて、高さのある場所なら逃げ道はないでしょ。
「モズ君の所で預かってあげてネ」
カワイイし頭がいいのは認めるけど、おじちゃんの好みじゃないんだよね〜。
機転が利きすぎるのは宜しくないし、敵か味方か怪しい奴を、たとえ女だってそばに置いておきたくない。
その点、モズ君ならすぐ取り押さえられるでしょ。
一瞬嫌そうな顔をしたAちゃんだったけど、すぐにまた無表情に戻る。
それからゆっくり立ち上がったモズ君に連れられて、小屋を出ていった。
残されたのは、Aちゃんから取り上げた本という物だけ。
指先で摘むように持ってたけど、一旦それを置いて、動物の骨で作った爪を手につけた。
「真っ黒なアザになってたからね〜〜」
腕まで拡がるそれは、あのインクと同じ色のアザだった。
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sora(プロフ) - 北さん» いるように、きっと強い重力が働いているのではないでしょうか。そういう2人であって欲しいと私は思っています。原作自体一人ひとりの魅力が強い漫画ですので、彼女も同じように恒星になれたら嬉しいです。応援ありがとうございます。北さんもお体ご自愛ください。 (2020年8月30日 15時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 北さん» いつも書き込みありがとうございます。彼女も少しずつ成長をしているのかもしれません。記憶がないからこそ自分の二本足でしっかりと立ち、自分のいく末を選択するんだと思います。でも潜在意識というものが人にはあるとも思っていて、生涯のパートナーを直感で選ぶ人が (2020年8月30日 15時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - また心から笑い合える日を待っています。これからも応援しています。無理のない程度に頑張って下さい。長文失礼致しました (2020年8月30日 15時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - もしれません。もし私が彼女の立場であったら、簡単に千空を信じられないでしょうし、自ら行動なんて起こせないでしょう。sora様の描写の素晴らしさもあってか、いつもより強く感じます。素敵です。けれど、やはり記憶が戻って欲しいのもまた事実。千空と愛史ちゃんが (2020年8月30日 15時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 完結お疲れ様です。実を言えば記憶のある愛史ちゃんよりも記憶のない愛史ちゃんの方が好きだったりします（勿論どちらも好きですが）惚れたと言いましょうか、、、。自分の記憶がないのにも関わらずいつも通り、いや、それ以上に真っ直ぐで頭の良い彼女に憧れているのか (2020年8月30日 15時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年8月2日 17時
