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害獣？
瞬時に、このツリーハウスに湧くだろうネズミを想像した。
「それのせいで今日も寝不足なんだけど、どこからきて今どこにいるかも分かんないんだよネ」
「はあ…」
それをどうしろと？捕まえろってこと？
視線でそう問えば、イバラは困った表情から一転して、ニヤリと口角を上げた。
「すごく大きなケダモノで、四足なのかな？逃げ足が早かったからよく見えなかったんだけど、今まで見たことない足跡でさ。足を引きずるように走るんだけど」
「知らない？」と、身を乗り出したイバラが瞬きもせずに私を見つめる。
まるで探るようなその眼差しから、この男が意図するものを察するのが難しい。
これは、なにを試されてるの？
「…足を引きずるのは怪我をしているからではなくてですか」
私の表情や、思考する時間、頭のてっぺんから指先まで、何一つ見逃さないと言わんばかりの眼差しが、余計に居心地を悪くさせる。
私の問いに、イバラはうーんとわざとらしく唸る。
「そういう風には見えなかったんだよねえ。怪我してるにしては早かったし」
「では蛇のように這いずる生き物では？」
「…四足だよ」
要領を得ない。
絵でも描いてくれれば分かるのに、知識差がある人と話すのが、こんなにも大変だなんて思わなかった。
「聞いたことがありません。でも獣なら、罠を仕掛ければかかるかもしれませんね」
「罠ね〜」
「足を引きずるなら、落とし穴はどうですか」
「ん〜でもねえ、そのケダモノ、Aちゃんが乗ってた船から飛び出してきたんだよ」
声のトーンが下がり、まるで悪魔のような表情を向けてくるイバラ。
最後の言葉で、ようやく男の真意を察した。
ハッとした頃には遅く、骸骨のように細く長い宰相の指が私の顎を持ち上げる。
間近で見る淀んだ色の瞳に鳥肌が立つ。
「その様子からすると、この本？のなかに、そのケダモノのことは書いてないのかな〜」
「…、」
「駆除したいんだけど、まずはどんな生き物か知りたいの。ほら、食料とか食い散らかされたら困るし」
この男は、ケダモノの正体を知りたくて聞いてるんじゃないんだ。
それに答える私の解や反応で、今までの話しの整合性を見極めようとしている。
矛盾がないか綻びを見つけるために。
「…お生憎ですが、それには船のことは書かれていても、何を乗せたかは書いてありませんでした」
まるで油の浮いた海を見つめているような具合の悪さを覚えつつ、目の前の目を見つめ返した。
ドキドキ心臓が煩く動く。
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sora(プロフ) - 北さん» いるように、きっと強い重力が働いているのではないでしょうか。そういう2人であって欲しいと私は思っています。原作自体一人ひとりの魅力が強い漫画ですので、彼女も同じように恒星になれたら嬉しいです。応援ありがとうございます。北さんもお体ご自愛ください。 (2020年8月30日 15時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 北さん» いつも書き込みありがとうございます。彼女も少しずつ成長をしているのかもしれません。記憶がないからこそ自分の二本足でしっかりと立ち、自分のいく末を選択するんだと思います。でも潜在意識というものが人にはあるとも思っていて、生涯のパートナーを直感で選ぶ人が (2020年8月30日 15時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - また心から笑い合える日を待っています。これからも応援しています。無理のない程度に頑張って下さい。長文失礼致しました (2020年8月30日 15時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - もしれません。もし私が彼女の立場であったら、簡単に千空を信じられないでしょうし、自ら行動なんて起こせないでしょう。sora様の描写の素晴らしさもあってか、いつもより強く感じます。素敵です。けれど、やはり記憶が戻って欲しいのもまた事実。千空と愛史ちゃんが (2020年8月30日 15時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 完結お疲れ様です。実を言えば記憶のある愛史ちゃんよりも記憶のない愛史ちゃんの方が好きだったりします（勿論どちらも好きですが）惚れたと言いましょうか、、、。自分の記憶がないのにも関わらずいつも通り、いや、それ以上に真っ直ぐで頭の良い彼女に憧れているのか (2020年8月30日 15時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年8月2日 17時
