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「船で連絡したときみたく、一か八か大声で叫びまくるとか…」
「ハ！後宮でそんな奇声を振りまいて、無事で済むわけもないがな」
「せっかく潜入したのに全部無駄になっちゃうじゃん」
銀狼の安直な案に私とアマリリスがダメ出しする。
責められ確かにと納得した銀狼だったが、目ざとい講師がすぐさまその肩を竹の棒で引っぱたいた。
「そこお喋り！」
「痛だぁ！」
「聞いてんのかい！あんたらまだ見習いだからね！後宮に入るまで1週間！こういう姿勢よく歩く鍛錬とか礼儀作法をみっちり仕込んでやるから覚悟しな！」
赤くなった肩をさする銀狼。
まったく、その程度の攻撃を避けられずによく今まで門番など務まっていたものだ。
『あー聞こえてっかコハク』
呆れる私の耳元で、雑音混じりだが、確かに千空の声が聞こえた。
『ククク。この後そっちにちーと面白ぇもんが行くぞ。科学のネズミだ…！』
そう聞こえた直後、何か小さなものが猛スピードで渡り板を駆け抜けて、後宮見習いの列に突っ込んできた。
番兵たちのざわめきと、女たちの悲鳴があがるなか、相変わらず耳元からは千空たちの楽しそうな声が聞こえてくる。
『ククク。現代人が見りゃこんなもんミニ四駆モロ出しもいいとこだがな！』
『いや〜工作が雑すぎちゃって動きドイヒーのガタガタだから、逆に意外とそれっぽく見えんじゃない？』
科学チームの愉快な会話を聞き流しつつ、こちらへ走り抜けてくるそれを視線にとらえた。
なるほど確かに、彼らが言うように科学の知識がある者から見ればまるで生き物には見えないが、そのすばしっこさと不規則な動きがネズミに見えなくもない。
頭の上の竹筒を落とさぬように注意しながら科学のネズミを捕まえる。
しかし、これまた目ざとい女講師が「何してるのそこ！」と駆け寄ってきたので、慌てて服の中にそれを押し込んだ。
「おっきなネズミが出ちゃって、すっごい怖かったです…でもコハクちゃんが捕まえてくれて…ありがと」
フォローに入ったアマリリスの言葉で、渋々ながら納得した講師が別の見習いの元へ戻っていく。
完全に背を向けてから、互いに目配せして親指を立てれば、銀狼が若干引き気味でこちらを見ていた。
『なんかあった時はそのネズミ発射して〜〜要はSOSのお手紙ね』
いつの間にかゲンに変わった通信で聞こえた耳慣れない言葉に、私たちは首を傾げる。
「てがみってなあに？」
アマリリスも知らないところをみると、ゲンたちの時代の何かなのだろう。
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sora(プロフ) - 北さん» いるように、きっと強い重力が働いているのではないでしょうか。そういう2人であって欲しいと私は思っています。原作自体一人ひとりの魅力が強い漫画ですので、彼女も同じように恒星になれたら嬉しいです。応援ありがとうございます。北さんもお体ご自愛ください。 (2020年8月30日 15時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 北さん» いつも書き込みありがとうございます。彼女も少しずつ成長をしているのかもしれません。記憶がないからこそ自分の二本足でしっかりと立ち、自分のいく末を選択するんだと思います。でも潜在意識というものが人にはあるとも思っていて、生涯のパートナーを直感で選ぶ人が (2020年8月30日 15時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - また心から笑い合える日を待っています。これからも応援しています。無理のない程度に頑張って下さい。長文失礼致しました (2020年8月30日 15時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - もしれません。もし私が彼女の立場であったら、簡単に千空を信じられないでしょうし、自ら行動なんて起こせないでしょう。sora様の描写の素晴らしさもあってか、いつもより強く感じます。素敵です。けれど、やはり記憶が戻って欲しいのもまた事実。千空と愛史ちゃんが (2020年8月30日 15時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 完結お疲れ様です。実を言えば記憶のある愛史ちゃんよりも記憶のない愛史ちゃんの方が好きだったりします（勿論どちらも好きですが）惚れたと言いましょうか、、、。自分の記憶がないのにも関わらずいつも通り、いや、それ以上に真っ直ぐで頭の良い彼女に憧れているのか (2020年8月30日 15時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年8月2日 17時
