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拍手をくれるスイカや銀狼、真っ赤な顔を逸らすソユーズ。
可愛いよと素直に言ってくれるメンタリストやコハクと違って、彼は、石神千空は、あんまり興味なさそうに手元の器具の片付けをしていた。
期待はしてませんでしたが。
コハクの変身ぶりには(アマリリスに対してだけれど)褒めてたのになあ。
おかしいな、本の中の彼はロマンチストに思えたのに。
やっぱり、記憶がない私は『私』と大きく違うからかな。
自分から聞く勇気もないし、彼の方を見ないように努力する。
まるで昼間に咲く花のような、薄桃色の可愛らしいワンピースを着たコハク。
落ち着いた寒色の色合いでまとめられた私とは、まるで真逆だ。
ああいうのが彼の好みなの、かも…？
短いスカートなのをいいことに、足技を軽々披露するコハクを見ていたら、ふと、メンタリストが隣に立った。
「心配しなくても千空ちゃんならAちゃんのこと可愛いって思ってるよ〜」
「えええ？」
突拍子もないし、お世辞にもならないフォローだ。
とてもそんなこと思うようなタイプには見えない。
「彼女みたいな可愛らしい子の方が好みなんじゃない？さっきから目も合わせてくれないし」
証拠にちらりと噂の男の姿を見るけれど、見事なまでにこちらに背を向けている。
あからさますぎる。
そんな彼の背中を見たメンタリストは、唇に人差し指を添えてウィンクしてきた。
「やだな〜。Aちゃん限定の純情科学少年なんだから、当然でしょ」
「純情…かが…え？」
「後にも先にも、千空ちゃんにはAちゃんだけだから安心しなよ」
「それは俺が保証してあげる」と語尾にハートでもつきそうなほどご機嫌に言い切った白黒の彼。
いい笑顔でそう言ってくれるのはありがたいけれども…
「…なんだか、とっても薄っぺらく感じる」
「ドイヒー！」
「あなたの言葉、質量がないんだもの」
そのニヤついた表情のせいなのか知らないけれど。
何故だか素直に受け取れなくて、でも無下にもできず、とりあえず「ありがとう」と付け加えた。
「すごいね科学？のお化粧品！これ使えばもしかして…」
そこへアマリリスが寄ってきた。
彼女はすっかり科学で生み出された化粧品の凄さに感銘を受けたらしい。
黒い笑みを浮かべたまま、化粧品を手に、男4人の前に踊り出る。
「潜入候補は多い方がいい。でしょ？一応試さないと」
「…あ？」
楽しそうにアマリリスが微笑む。
その表情から、これから起こることを察するのはあまりに容易すぎた。
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sora(プロフ) - 北さん» そして、この小説をきっかけにアニメだけではなく、原作まで手を伸ばしていただけたこと本当に嬉しいです。原作の彼らが大好き過ぎてできた作品なので、是非本編を片手に読み進めていただけると幸いです。宝島編はまだ続きますが、最後までよろしくお願いします。 (2020年8月2日 16時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 北さん» いつもご感想ありがとうございます。小さな手がかりからでも誕生日を当てられるくらい、彼も彼女のとの些細な日常を大切にしていると思います。いつも静かに寄り添ってくれていたからこそ、真正面からぶつかるのは、彼自身ドキドキしたかと思いますが。→ (2020年8月2日 16時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 実は私、アニメ民でほとんど内容を知らなかったんです。けれど、この小説を本当に楽しく読みたいと思い、漫画も読み始めてしまいました。（ついでに星の息も読み返してしまい追いつくのが大変でしたが）。これからも無理のない程度に頑張って下さい。楽しみにしています (2020年8月2日 0時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 千空が誕生日を当てたとき、なんてヤバイやつなんだ…と心から尊敬しました（一個前の作品と続けて読んだためこの章じゃないかもしれませんが）。本当にsora様の書くお話が好きでたまりません (2020年8月2日 0時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 完結お疲れ様です。お疲れ様でした。本当…もう…素敵でした…。私の語彙力では言い表せませんが、とにかく読んでいて幸せでした。愛史ちゃんの記憶が消えてしまってとても悲しいですが、記憶がなくなってもなお、千空を信用していてなんだかきゅんきゅんします。 (2020年8月2日 0時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年7月19日 22時
