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小さなライトだけが光源で、薄暗いそこは少し不気味だ。
無意味に暗闇を怖がったことはなかったはずなのに、妙に鳥肌が立って仕方ない。
そしてほぼどん詰まりまで来たところで、ようやく、目的の木箱を発見する。
こんな奥の方にあったなんて…
それでも見つかってよかった。
自分があけるだろうからと緩めに止めていた箱を開け、中から目当ての羽ペンを一本取り出した。
ふうと一つ息を吐いて、後数枚紙を持っていこうかと箱に手を突っ込む。
「また君ですか」
けれど、背後からから聞こえた冷たい声に、私は持っていたそれらをばさりと床に落とした。
この声、は。
ゆっくりと振り返る。
薄明かりの中で見える貨物室の最奥。
そこには、檻があった。
「お、り…」
ゆっくりと、それでも警戒しつつ、檻へ近寄っていく。
すると檻の中の輪郭が朧げながらも見えるようになった。
人だ。
2人、人がいる。
思いつくのは氷月とほむら。
その2人しかいなかった。
するりと鋭い刃物のような目。
月色に輝く白銀の髪。
口元から下はマントに隠れていてよく分からないけれど、捕まっていても堂々たる態度から、何か自信めいたものを感じ取れる。
「あなたが…氷月」
「おや。名前を言えましたか。私のことを嫌い過ぎて忘れ去ったのかと思っていましたよ」
「…嫌い…？」
あなたが私を嫌うのではなく、私が？
さっきのナナシの話といい、この男の発言といい、わからないことが多すぎる。
もし(ナナシの言葉を信じて)私が一部の記憶を欠損しているとして、なぜこの2人のことを忘れたのだろうか。
記憶障害にはいろんな種類がある。
外的要因、心因性のもの。
考えを巡らせても、ストーンワールドで大きな怪我をしたことはないし、大きなストレスで倒れたのは知恵熱の時とストーブの時くらい。
それとも、それさえすっかり忘れた、とか…？
「あなたたちは、どうして捕まってるの？」
でももしそうだとしたら、どうして千空は私に言わないの？
なんでナナシから？
彼が悪人とは思えないけれど、千空以上に信頼できる人はいない。
どうしても天秤は、ナナシよりも千空に傾く。
純粋な質問に対して、檻の中の男は鼻で笑った。
答える気はないみたい。
沈黙を守る女の子…おそらくほむらと、氷月。
問答をするつもりがないならと踵を返そうとしたとき、影が私の顔に迫ってきた。
「ひ、っ」
驚きあまって尻餅をつくと、檻から無理やり伸ばした氷月の腕が私の顔面を覆おうと突き出ていた。
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sora(プロフ) - 雪姫さん» お返事が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした。お体が快復に向かっているようで安心しました。休み休みで良いので、雪姫さんなりのテンポで歩めればいいと思います。今は物語を書く時間が取れず筆が進められないので、のんびり読んでいただければ幸いです。 (2022年1月14日 23時) (
レス) id: a1dae06abc (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - 何度も何度も泣きました。どうしようもなく彼女達が好きで、彼女達のことを応援しているからこそ、辛くても見届けたいなと思っています。精神的なもので完治はまだ難しいのですが、また彼女達の歴史を覗けるのがたまらなく嬉しいです。ずっと応援しています。 (2021年7月13日 13時) (レス) id: 10ca58f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - お久しぶりです。雪姫です。先日病気の関係で、文章を追うのが難しくなってしまったとコメントさせていただきましたが、少しずつ快復し、今また読み進めています。ようやくこの日が来たのかと思っています。物語の続きを読んだこと、彼女の記憶のこと。読みながら、→ (2021年7月13日 13時) (レス) id: 10ca58f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - カルーアさん» ご感想ありがとうございます。ここから彼女と彼の本当の意味での絆を描いていきたいと思っています。ずっと温めていたので、怒涛の更新になるかと思いますが、どうぞこれからもよろしくお願いします。 (2020年7月19日 22時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
カルーア(プロフ) - 人類青史�ヾ扱襪�めでとうございます。ついに全てを忘れてしまいましたね…。忘れても尚千空をそして記憶を忘れる前の自分を思い、泣く主人公に読んでいるだけで胸が張り裂けそうです。�△發箸討盂擇靴澆任后９洪郡萃イ辰討�ださい。 (2020年7月19日 20時) (レス) id: 0fc594eb2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年7月11日 15時
