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「千空ちゃん千空ちゃん」
操舵室で龍水とチャートを見ながら話をしていたら、ゲンが手招きで俺を呼ぶ。
「パワーチームの1人がね、さっきの俺らの話聞いて、大事な話しなくちゃいけないって…」
大事な話？
なんの事だと視線を投げれば、操舵室の扉のそばに硬い表情で突っ立っている一人の男を見た。
そればいいんだが…
「テメーは…誰だ？なんでだ、マジで名前出てこねえ」
元司帝国ならまだしも、石神村の連中は全員把握しているはずだった。
それでも1mmも名前の候補が上がってきやしねえ。
そんな俺の肩越しから、コハクが寄ってきて言う。
「浮かばなくて当然だ。彼に名は無い」
「船員リスト作る時も困ったぞ。ひとまず名無しと書いたがな！」
「あ…ああ、好きに呼んで構わない」
誰1人として名前を認識していねえそいつ、名無し男は、キョロキョロと視線を彷徨かせる。
「お、俺はホントは、石神村の人間じゃない」
そしてカミングアウトされた内容に、誰よりぶったまげたのは石神村の連中だ。
特にコクヨウが唖然とした顔で名無し男を見つめる。
「幼いころに1人生きて浜辺に流れ着いたのを、不便に思った村人…つまり俺の里親が自分の子供と嘘をついて育てたんだ」
本当の名は、石神村では浮すぎるからずっと名無しで生きてきた。
そう言って、男は意を決したように顔を上げる。
「俺の本当の名は『ソユーズ』」
唇を噛んで、まっすぐ俺を見つめてきやがる名無し男、改めソユーズ。
その拳が硬く握られるのが見えた。
「あ、案内できるかもしれない。俺の故郷…宝箱ソユーズの在処に…！」
「おおおお！！」
複雑な反応をする石神村の面々の中で、空気を全く読まねえ大樹が喜びの声をあげる。
「ククク。実におありがてえ。更に良くも悪くも、確実度100億％の情報一つゲットしたな！」
宝島は今、無人島じゃあねえ…！
全ての階段を下ると、船のフォア…つまり船首側の最深部に乗せられた貨物室に達する。
よく使うものは自分たちの寝室に持ち込んでいるのがほとんどなのだけれど、私用に乗せてもらった紙とペンとインクは大量なので、貨物室に回してもらったのだ。
どの木箱に入れられているのかな。
ちょっとふらふらするのは目眩のせいなのか、ここが船の中だからなのかわからない。
あまり長居をしたら本当に具合が悪くなってしまいそう。
山のように積まれた木箱にチョークでメモされている文字を追いながら、お目当ての荷物を探してどんどん奥へ進んでいく。
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sora(プロフ) - 雪姫さん» お返事が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした。お体が快復に向かっているようで安心しました。休み休みで良いので、雪姫さんなりのテンポで歩めればいいと思います。今は物語を書く時間が取れず筆が進められないので、のんびり読んでいただければ幸いです。 (2022年1月14日 23時) (
レス) id: a1dae06abc (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - 何度も何度も泣きました。どうしようもなく彼女達が好きで、彼女達のことを応援しているからこそ、辛くても見届けたいなと思っています。精神的なもので完治はまだ難しいのですが、また彼女達の歴史を覗けるのがたまらなく嬉しいです。ずっと応援しています。 (2021年7月13日 13時) (レス) id: 10ca58f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - お久しぶりです。雪姫です。先日病気の関係で、文章を追うのが難しくなってしまったとコメントさせていただきましたが、少しずつ快復し、今また読み進めています。ようやくこの日が来たのかと思っています。物語の続きを読んだこと、彼女の記憶のこと。読みながら、→ (2021年7月13日 13時) (レス) id: 10ca58f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - カルーアさん» ご感想ありがとうございます。ここから彼女と彼の本当の意味での絆を描いていきたいと思っています。ずっと温めていたので、怒涛の更新になるかと思いますが、どうぞこれからもよろしくお願いします。 (2020年7月19日 22時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
カルーア(プロフ) - 人類青史�ヾ扱襪�めでとうございます。ついに全てを忘れてしまいましたね…。忘れても尚千空をそして記憶を忘れる前の自分を思い、泣く主人公に読んでいるだけで胸が張り裂けそうです。�△發箸討盂擇靴澆任后９洪郡萃イ辰討�ださい。 (2020年7月19日 20時) (レス) id: 0fc594eb2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年7月11日 15時
