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龍水ちゃんは諸々計算した上で、俺たちが電波の広告独占権を与えない場合も予測していたみたい。
もう一枚用意されていた別紙には、非独占契約の場合のことまでしっかり書き留められていた。
結局、龍水ちゃんを中心にドラゴが回ることには変わりないけど、受け取れる電波料金代がかなり減ろうが、俺たちも広告宣伝に乗り出す他ないと結論づけた。
きっとそこまでお見通しだから、企画書も二枚あったんだろうけどね。
この俺がこんなに資金繰りに手をこまねくなんて…ほんと龍水ちゃん恐ろしい。
方向性をまとめて話を終了しようとしたときに、今まで黙っていたクロムちゃんが「ヤベー解決策思いついちまったぜ！」と声を上げた。
クロムちゃんは俺たちにない発想力を持ってるから、もしかしたら固定概念なく新しい打開策があるのかも？
そんな期待の眼差しを向けるなか、純粋な瞳でクロムちゃんは胸を張る。
「紙幣が有限ってんなら、もっといっぱい刷っちまえばいいんじゃねえか？！」
あ〜〜〜〜
ちょっと期待していた分、千空ちゃんの表情もひどいし、ほぼ無表情だったAちゃんも大きくため息をついてる。
俺も思わずツッコミを入れそうになったのをなんとか飲み込んだ。
いや、うん。
いままで紙幣経済がなかった時代の人だもんね。
お金を刷りすぎるとどうなるのか、その仕組みなんて知らないもんね。
説明するの面倒臭いな〜テキトー言って逃げちゃおうかな〜とも思った。
けど、珍しく石神夫婦が揃ってるわけだし、ここは俺がクロムちゃんを引き受けてあげよう。
2人がどういう化学反応を起こすか予想はつかないけど、たまに俺も想像つかないことをしでかす2人だからこそ、俺も弄りたくなるわけで。
「クロムちゃんちょっと来て〜お金の仕組み教えてあげる」
わざとらしく手招きして、距離を取る。
「その間にAちゃんはほら、千空ちゃんに例の相談しておきなよ」
「えっ」
「頼んだよリ〜ダ〜」
クロムちゃんの背中を押して、そそくさとその場をあとにする。
残された2人はキョトンとした後、千空ちゃんは無言のままちらりと隣に佇むAちゃんを見た。
その視線を受けた彼女は、困ったように俯く。
さ、あとは見物させてもらいましょ。
2人から見えない小屋の外までクロムちゃんを連れていき、じっと耳をそばだてた。
俺がしゃがんだのを見て、さすがのクロムちゃんも盗み聞きするつもりだと悟ったみたいだ。
唇をとがらせながら、同じようにしゃがみ込む。
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sora(プロフ) - 雪姫さん» 楽しく、偉大な一歩を積み重ねてくれるはずです。いい事ばかりが人生ではありませんので、彼らにも彼らの困難と幸せを等しく乗り越え、血肉にして欲しいと思います。ぜひ、最後までお付き合い下さい。これからもどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月27日 10時) (
レス) id: 245919ea47 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さんにはいつも悪いと思いながら、それでも最後まで読み切って欲しいと願いつつ書かせていただいています。先のことはお話出来ませんが、ただ心配せず、彼らを信じて読み続けてみてください。彼も彼女も弱いだけの人間ではないし、科学と歴史の精神に則って強く→ (2020年5月27日 10時) (レス) id: 245919ea47 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - ほしぞらさん» 書き込みありがとうございます。たくさん登場人物がいるので、全員に性格と役割があると考えるとどうしても話が絡み合っていきます。そこを楽しんで読んでいただけているようで嬉しいです。紙面の上の人ではなくて、血の通った物語を書けるよう日々精進します。 (2020年5月27日 10時) (レス) id: 245919ea47 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 北さん» その些細な心の揺れや、変化、成長、進化をここに軌跡として残せたらと思います。これからもどうぞ星の息をよろしくお願いします。 (2020年5月27日 9時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 北さん» いつも書き込みありがとうございます。きっと彼女はしっかりしているので、壊れてしまう前に新しい一歩を踏み出そうと努力してくれると思っています。石化後どんなに重要人物であろうと、彼らはまだまだ若いので、色んな葛藤と戦いながら生きていくでしょう。→ (2020年5月27日 9時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年4月29日 10時
