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強制的に連れ出されたことに違和感を覚えざるをえない。
写真なんざ今までだってさんざっぱら勝手に撮ってきたくせに、今更何だってんだ。
いい加減おろせ雌ライオンと言えども、頑なに俺を離そうとしねえ様子を見るに、何かしらの思惑が水面下にあると悟った。
つっても、コハクは手伝わされてるだけで、黒幕は別に居そうだ。
「お〜〜い、テメー誰の指示か知らねえが、いい加減おろしやがれ。鳩尾圧迫されて昼飯吐きそうだ」
「は！情けないぞ千空」
「女の肩に担がれてる時点で情けなさ100億%だわ」
テメーを普通の女と認めはしねえが。
やがてエンジン製作の作業場につき、ようやく俺は解放された。
骨ばった肩が刺さってた胃のあたりをさすれば、幾分か気分の悪さも回復する。
予想した通り(つーか普通に考えて)、その場にはクロムもカセキも、まして女記者の姿もなかった。
もぬけの殻の作業場は、外から差し込む光を受けて反射する埃でキラキラ光る。
その陽光を背に、入口をふさいで立っているコハクがどんな目的で俺を連れ出したのか、そこまでは分からねえが、Aに言った言葉が嘘っぱちなのはすぐに見破っていた。
休憩に入ったのは6分前だ。
んな早く作業に戻るはずもねえ。
めんどくせえ事にならなきゃいい。
脳裏に残る、俺たちをなんとも言えねえ顔で見送ったAを思い出す。
「悪いな、嘘まで言って連れ出してしまって」
「ククク、嘘なのは丸分かりだ。で、わざわざご丁寧に2人きりにしたのは何の意味があんだ？」
あの場で言わなかったということは、それなりに重要で秘密性の高い事なのだろう。
だが、今既にAの立場はこの科学王国でも、それなりの場所にあるはず。
それでも聞かせたくねえということは…
「君に頼みがあるんだ、千空」
真剣な顔つきで、腕を組みこちらを見てくるコハク。
逆光で暗くなった表情に、俺は静かに視線を投げ、次の言葉を待った。
「うわああああ！」
崖っぷちに立って叫ぶこと、3回目。
雄叫びと言うには迫力のない女の声が、まるで鬱憤を晴らすように聞こえた。
何事かと思って弓矢を携えきてみれば、そこには見た事ないくらい取り乱したAがいて、僕は茂みに隠れて様子を伺っている。
どうやら僕以外に、この状況を確認している人はいないみたいで、彼女も僕の存在に気づいていないようだった。
それなりにみんながいる所から離れた場所だから、誰も気付かないのは無理ない。
あああと彼女の声が尾を引く。
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sora(プロフ) - 雪姫さん» 楽しく、偉大な一歩を積み重ねてくれるはずです。いい事ばかりが人生ではありませんので、彼らにも彼らの困難と幸せを等しく乗り越え、血肉にして欲しいと思います。ぜひ、最後までお付き合い下さい。これからもどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月27日 10時) (
レス) id: 245919ea47 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さんにはいつも悪いと思いながら、それでも最後まで読み切って欲しいと願いつつ書かせていただいています。先のことはお話出来ませんが、ただ心配せず、彼らを信じて読み続けてみてください。彼も彼女も弱いだけの人間ではないし、科学と歴史の精神に則って強く→ (2020年5月27日 10時) (レス) id: 245919ea47 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - ほしぞらさん» 書き込みありがとうございます。たくさん登場人物がいるので、全員に性格と役割があると考えるとどうしても話が絡み合っていきます。そこを楽しんで読んでいただけているようで嬉しいです。紙面の上の人ではなくて、血の通った物語を書けるよう日々精進します。 (2020年5月27日 10時) (レス) id: 245919ea47 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 北さん» その些細な心の揺れや、変化、成長、進化をここに軌跡として残せたらと思います。これからもどうぞ星の息をよろしくお願いします。 (2020年5月27日 9時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 北さん» いつも書き込みありがとうございます。きっと彼女はしっかりしているので、壊れてしまう前に新しい一歩を踏み出そうと努力してくれると思っています。石化後どんなに重要人物であろうと、彼らはまだまだ若いので、色んな葛藤と戦いながら生きていくでしょう。→ (2020年5月27日 9時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年4月29日 10時
