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翌朝、未来は無事に見つけたけれど、病院跡地に埋まっている人たちを発掘する作業はまだ続いていた。
朝早くにテントから這い出て、リアス式海岸のように入り組んだ海を見ながら、背伸びする。
司と未来、他にも数人が昨日と同じ場所にいるのが遠巻きに見える。
もしかして夜通し感動の再会をしてたのかな。
そうだとしたら、想像以上に長い時間、未来は植物状態だったのかもしれない。
微笑ましく思いながらも、起きたての彼女のために食事を運ぼうと思った。
「千空」
そこに、クロムの緊張した声が聞こえてくる。
私が呼ばれたわけではないのに、ダイナマイトの入った箱の前にしゃがみこむクロムを千空と一緒に振り返った。
「ダイナマイトの、残り本数が合わねえ」
どきりとした。
嫌な汗が頬を伝う。
「えええ、いっぱい使ってんだからちょっとくらいズレるでしょぉそんなの…」
面倒くそうに無責任なことを言う銀狼も、クロム同様に箱の中を覗き込む。
「おう、これでも素材王だ！ブツのことだけは間違えねえよ」
「そうだよ。それにダイナマイトは危険なものだ。管理できてないなんて無責任なこと、しちゃだめだよ」
否応なしに生み出されてしまった、ノーベルの発明品。
人を殺めてしまうかもしれない代物だからこそ、その扱いは丁重でなければいけないのに。
「…誰かが盗ったなら僕の耳に聞こえたはずだ」
「羽京…」
見張りをしていた羽京が真剣な顔で歩み寄ってくる。
確かに彼の耳はとてもいい。
ダイナマイトの管理も、不殺を掲げる彼ならクロム同様きちんと気をつけていたはずだ。
「それをかいくぐるような隠密行動ができるのは、僕の知る限り1人しかいない」
帽子のつばを指で押し上げる羽京。
名前を言わずとも、その場にいた全員が察した。
隠密に長けていて、身軽な彼女…ほむらだ。
けれど、ほむらは千空たちが拘束していると聞いていた。
その拘束場所はここから離れた、元司帝国のそばにある科学王国野営地のテント軍の中。
そして見張りが交代制でついているはず。
けれどもし、もし彼女がどうにかして拘束を解いていたとしたら…？
脳裏に思い出される、焼け落ちる文明の姿。
炎立つ家々に、焦げ臭い煙と、逃げ惑う人の声。
ぎゅ、と拳を握ったら、そばに寄ってきた羽京が背中を撫でてくれる。
「千空、ほむらの様子を見に行かなきゃ」
「デカブツを連れて向かえ。俺らは…」
彼が指示を出し終える前に、大きな爆発音とともに地面が大きく揺れた。
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sora(プロフ) - さやなぎひまりさん» ご感想ありがとうございます。Dr.STONEから初めて知ったバンドでしたが、とても綺麗でどの曲も彼らに合っていて、少しでも多くの人にその世界観を感じてもらえたらと思っています。共感いただけて嬉しいです。まだ先は長いですが最後までよろしくお願いします。 (2020年7月10日 10時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
さやなぎひまり(プロフ) - 私がアプリでちまちま読んでやっと追いついたところなのですが、作者様が文学と青春を歌うあのバンドをいかに大事になさっているのかが良く伝わってきました。たしかにあのフレーズは彼を思い出させますよね、大いに共感しました。 (2020年7月10日 9時) (レス) id: 1c54ce4927 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 雪姫さん» 書き込みありがとうございます。宜候！素敵な歌で好きです。受験生ということで日々大変かと思いますが、遠くから応援しています。変わらず更新し続けていきますので気長に追いかけていただければ幸いです。2人の関係の変化をこれからも楽しんでいってください。 (2020年3月1日 23時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - やっぱり黒曜石可愛いです......!!!!千空と龍水に虐められて拗ねちゃう姿が年相応で微笑ましくなります。続きが気になります......!!!!!! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 10ca58f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - 宜候！端々の芸が細かくてついつい笑ってしまいます。受験生なため、勉強食事睡眠に一日を費やしていて更新を追えない状態ですが今でも楽しみにしています。早く最新話に追いつきたいです。 (2020年3月1日 23時) (レス) id: 10ca58f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年2月9日 23時
