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後先考えずに行動するなんて、久しぶりだった。
千空の命以上に大切なものなんてない。
彼がいなきゃ私の存在価値なんてない。
彼以上に私を使ってくれる人なんていない。
彼なしじゃ、だめなんだ。
「もしも俺たちが3700年前に出会っていたら…初めての、友達になれたのかもしれない」
「…かもな」
あっという間だった。
私の脚力なんかじゃ到底、割ってはいることなど出来なかった。
自分可愛さに一度距離を置いてしまったことを恨んだ。
私の大好きなガーネットから光が失われていく。
ゆらりと倒れる千空に、私や大樹、杠がそれぞれ腕を伸ばした。
「あああああああああああああああ！！」
地面に激突する前に彼の肩をかき抱き、そのまま私は膝から崩れ落ちた。
数秒遅れで駆け寄ってきた大樹の咆哮が響く。
それに呼応するように溢れ出る涙で視界が滲み、輝かなくなってしまったガーネットが水面のように揺らいだ。
「千空！千空！！いやだ、あああ！いやだ！私を置いていかないで！！」
「あああ！へんじ…返事をしてくれ頼む！！そんな、違う！ダメだ！！」
たった一つの光だった。
私のとって、貴方ほどの光はなかった。
それを失ってしまうくらいならいっそ、いっそ
「大樹くん！」
纏う空気が変わり、大樹が司に敵意を向ける。
その服をつかみ止める私と、大樹の名を呼ぶ杠。
正面から戦っても勝算は無い。
私たちに残された選択肢は、ただひとつだ。
「大樹、その石だ！」
昨日、火薬を作る時に使った黄鉄鉱。
大樹は私が指さす石を見て戸惑うことなく掴みあげる。
きっと同じことを考えてる。
私はこれから起こるだろうことから、守るように千空を抱きしめた。
動けない私と千空から離れ、大樹が司の丁度頭上へ岩を投げ上げた。
それと同時に杠が駆け出し、火薬壺を司めがけて投げつける。
当然司は土器程度の壺、軽々と回し蹴りで粉砕させてしまったが、それこそが私たちの目論見だった。
司めがけて黒色火薬がぶち撒かれる。
落ちてくる黄鉄鉱より先に千空を抱き上げ、少しでも距離をとった。
役目を果たした杠が駆けて戻ってきて、大樹が千空を引き継ぎ、私は杠と荷物を抱えて走り出した。
爆風が体を吹き飛ばそうと背後から迫ってきた。
落ちてくる石片に注意しながら、飛ばされないように山をおりる。
束の間の出来事だ。
時間にして5分にも満たないほどの。
ただその5分がこれから先私を一生苛むことになる。
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ななし - 心情描写に惹き込まれました！この物語をきっかけにDr.STONEと歴史文明、天文学にどっぷり浸かりました！まだ2回目の読み返しですが、夢小説の中で一番のお気に入りです。素晴らしい作品を作って下さりありがとうございます！ (3月5日 23時) (
レス) @page29 id: f002730078 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - ねねさん» コメントありがとうございます。4回も読み返して下さってるなんて、とても嬉しいです。千空落ちとは言え、羽京も好きなのでぜひ何度でも読み返してださい。まだ終わっていない物語ですので、最後までよろしくお願いします。 (11月17日 20時) (レス) id: 90b12c249d (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 最近羽京くん不足なので読み返しに来ました！かれこれ4回目ぐらいなんですけど、毎回キュンキュンさせてもらってます。ありがとうございますっ！ (11月17日 16時) (レス) id: ddbda6a4fd (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - (´･ω･`)さん» コメントありがとうございます。お返事が遅くなりすみません。長い物語ですが、手に取って読んでいただけて嬉しい限りです。また、ご指摘もありがとうございました。すぐに修正させていただきます。 (2021年11月25日 15時) (レス) id: a1dae06abc (このIDを非表示/違反報告)
(´･ω･`) - 初コメ失礼します。 続きが気になって、ページを進める度にワクワクが止まらない程面白いです！ ですが、1つ気になるところがあって…「シュミレーション」じゃなくて「シミュレーション」らしいです。数年前まで私も間違えてました(´△`°) (2021年6月3日 20時) (レス) id: 91ddaaeba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2019年12月7日 23時
