プロ野球選手と。 (ページ1)

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長いシーズンを終え、久しぶりの休日を
“婚約者”のAと過ごす。

今日はこのあとある場所へふたりで行くことになっている。

「たく～忘れずにちゃんと持った？」

『うん、カバンに入れたよ』

俺たちが向かっているのは区役所。

つまり、今日正式に夫婦になる。

Aは俺の婚約者から妻に。
俺はAの夫に。

チームメイトに結婚するって報告した時は、
((お前が結婚！？))ってみんな驚いてた。

特に鍵谷ね←

まぁそう言われるのも分からなくもない。

結婚...願望はあったけど、俺にはハードルが高いと思っていた。

１人の時間・空間を大事にしすぎていたから、誰かと24時間一緒に暮らすなんて無理だなって。

そんな俺にもついに運命の出会いっていうものがあって。

この人となら一緒にいても楽だ、いや一緒にいたい！と思えた。

それがAだった。

「たく～ここに出せばいいみたい」

あ、妻になる人
いや、妻になってくれる人が呼んでる

『じゃあ出そうか』

「うん！」

(受理いたしました)

そう聞いた瞬間のAは、
今まで見たことないくらいキラキラした瞳で
優しい表情だった。

この笑顔を俺が守っていかなきゃ。

帰りの車の中で

「これからよろしくね、旦那さん」
『こちらこそ、奥さん』

っていうやりとりを何回もした。

これが不思議と飽きないんだわ笑

それから家に帰ってきて

《新婚初日だしイチャイチャしたいなぁ》

なんて考えながらソファでゴロゴロしている俺とは反対に、テキパキ家事をしているA。

俺にはもったいないくらいデキる女性だ。

家事が一通り終わったらしく、ソファに来て
俺の隣に座るA。

『本当に俺で良かったと？』

「ん～？なにが？」

『結婚相手、俺で良かったのかなって』

「卓じゃなきゃやだ」

可愛い事言ってくれるじゃない、お嬢さん笑

まぁ今更「卓じゃなくても良かった」なんて言われたところで手遅れだけどね。

こんな感じで俺たちの新婚生活がはじまったわけです。

ふたりでのんびり幸せになろうねA

30(Aちゃん、卓なんかで良かったの？)

『おい！“なんか”ってなんや！』

30(泣かされたらいつでも陽平さんのところに来ていいからね)