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「なんで早川さんがここに....?」
少年が呟くと「通り魔事件のときの早川さんじゃないですか」と聞き覚えのある声が耳に入る。
『(......降谷....っ)』
なんであんたがここに居んのよ!私の捜査の邪魔をしないで!
周りに人が居なければ私は降谷にそう叫んでいた。確実に。
『あ、あの時のポアロの店員さん....安室さん....でしたっけ?あの時はありがとうございました』
「名前、覚えていてくれたんですね」
『えぇ、とても優しい方だったので』
私は品のいい笑顔を浮かべる。
なんでお前がここにいるんだ!という今にも出てきそうな言葉を飲み込んで。
.
.
降谷side
『なんであんたがここに居んのよ!!
私の邪魔する気!?あんたほんとクソね!!』
「それはこっちの台詞だ」
なんとか隙をみて二人で現場から抜け出すと早川は僕を問いつめた。
こいつはほんとにこの前俺に『すきかも』って言ったのか?と疑うほどあの時と態度が違う。
あの時の彼女の好きはやっぱり同僚としてなのか。
残念に思い「はぁ」と深い溜息を着くと『何よその態度!』とまた早川は怒鳴る。
「鈴木財閥の娘さんの園子さんが毛利さんたちを招待したパーティーに僕も一緒にどうかと誘われたんだ。
仮にも僕は弟子入りしてる訳だし仕事の一環だと思って行くことにしたらたまたまお前がいてしかも殺人事件が起こったんだよ」
俺だって知ってたらここに来なかったし、仕事だったから仕方ないだろ。
早川は俺のそんな言葉に何も言い返せなくなってむくれる。ちょっと可愛いと思ってしまう俺はかなりこいつに惚れているようだ。
『……確かに仕方ないけど、私は西野さんの前ではセクシー系のいい女であの毛利小五郎たちの前ではゆるふわカワイイ系の女なの!
性格の辻褄が合わなくなっちゃうでしょ!どうするの!?』
たしかに、それはそうだ。
100個の性格を操っている早川にとってターゲットと接触している時は知り合いに会うとそれが嘘だと全部バレてしまう。
「僕がどうにかフォローする」
『あんたが出来るの?』
「仮にも僕は潜入捜査をしている身だ。お前ほどの猫かぶりクソ人間ではないが多少は出来る」
『猫かぶりクソ人間じゃねえよクソ野郎』
早川はため息をついて『降谷の演技、胡散臭いから西野さんに怪しまれそうなんだよなぁ』と不満そうに呟く。
「それ以外方法はないだろ」
『…………分かったわよ。今ここでどう対応するか決めるわよ念入りに』
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なみ - とっても面白いです。更新楽しみに待っています!!続きが楽しみです! (2019年8月8日 10時) (レス) id: 0ffda98372 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO - 面白いです!更新待ってます! (2019年4月14日 21時) (レス) id: 5129f74190 (このIDを非表示/違反報告)
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