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『西野さんは、流石ですね』
今私は大物が集まるパーティーに出席している。ターゲットは西野隆(にしのたかし)。
潜入捜査の一環で、彼とは親密な関係にあるが恋人と言うより西野と私の関係は愛人。つまり彼には妻が居る。西野は表ではニュース番組などのコメンテーターをしているが、裏では政界につながる悪党。私は彼から決定的な証拠を盗むよう指示されている。
『(と、言っても.......)』
コイツはちょろい。ちょろすぎる。いや、こいつ頭わる過ぎだろ三歳児?って位ちょろい。それにキモイ。
つい先日誘拐されるという失態を犯してしまったので、あまり調子にのってはいけないと思っても、私が言いよると鼻の下を伸ばしてすぐに愛人にしたり、明らかに柄の悪い暴力団らしき人物に公衆の面前であっていたりと、とにかく詰めが甘すぎる。あとキモイ。
『(今回の仕事はすぐ終わりそうだな)』
そう思った瞬間、突然会場の電気が消える。なにかショーが始まるのだろうか。そんなのんきな事を考えていると何事もなく会場が明るくなった。そして、私と西野さんの目の前には男性の死体が横たわっていた。
『きゃ、きゃーーーーーーっ!!!』
公安は数々の危険な仕事をしている。だから死体を見ただけで叫ぶ程驚きはしない。けれど今は隣に西野さんがいる。わざとびっくりした演技をしなくてはいけない。
ちなみに、西野さんはセクシー系の賢い女が好きなので叫び方もそれにあわせている。
「どいて!!」
私の叫び声を聞いて人ごみをかき分けて人が来た。さしずめ警備員と言ったところだろうか。
そんな私の予想は大きく外れた。
『........君は.....あの時の........?』
相手も私を見て驚いている様子だった。
「あなたは.....早川さん.......?」
現れたのは、誘拐されたときに助けてくれた少年だった。
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なみ - とっても面白いです。更新楽しみに待っています!!続きが楽しみです! (2019年8月8日 10時) (レス) id: 0ffda98372 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO - 面白いです!更新待ってます! (2019年4月14日 21時) (レス) id: 5129f74190 (このIDを非表示/違反報告)
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