検索窓
今日:2 hit、昨日:32 hit、合計:48,171 hit

31 ページ31

降谷side

『降谷』

俺の車で警察庁に戻っていると助手席に座っていた早川がぶっきらぼうに言った。

「なんだ」

運転をしながら対抗するようにぶっきらぼうに答える。なかなか返事が返ってこない。痺れを切らした俺はもう一度「なんだよ」と聞いた。

『………………助けてくれて、ありがと』
「………………は?」

思わず気の抜けた声を出してしまう。
プライドの塊のような早川が俺にお礼を言うなんて明日は槍が降るかもしれない。

『なによその気の抜けた返事!この私がお礼を言ってんのよ!』
「いや、お前他人に感謝できたんだな」
『失礼ね!言わなければよかった!!』

俺は随分彼女に惚れているようで、車を運転しながら『ありがと』という言葉を思い出してニヤニヤしてしまう。

『何ニヤニヤしてんの。キモイよ』
「あぁ、そうだな」
『意味わかんないんですけど!』
「まだ、分からなくていい」

俺がにやにやしてる理由が分かってしまったらきっとお前との距離が遠くなる。
まだ、この気持ちは伝えなくていい。
まだ、お前は分からなくていい。

32→←30



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (62 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
206人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なみ - とっても面白いです。更新楽しみに待っています!!続きが楽しみです! (2019年8月8日 10時) (レス) id: 0ffda98372 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO - 面白いです!更新待ってます! (2019年4月14日 21時) (レス) id: 5129f74190 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:数の子 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年4月3日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。