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ジンとズームが部屋から出て言ってしまった。
「(………結局頼めなかったな)」
目的を果たせなかった上にジンを怒らせてしまうとは最悪だ。
仕方ないからまた今度頼むか。
そう思いながら俺はドアノブにかけると後ろからベルモットが「バーボン」と俺を呼んだ。
なんですかと後ろをを向けばベルモットはとても真剣な顔で俺を見ていた。

「バーボン、貴方ズームのことどう思っているの」

ベルモットはズームが大好きだ。
ベルモットはいつだって自分の事のようにズームを思っている。だからこの手のベルモットからの質問は今回が初めてではなかった。
しかし今日はさっきズームが泣いていたせいなのか酷く真剣な顔だった。

「どうって……仕事仲間ですよ」

俺はそんな当たり障りのない返事をした。
いつもならそれで済むのだが今日はその言葉がベルモットを不機嫌にさせてしまった。
ベルモットは少し顔を歪めて

「貴方、本当にタチが悪いわ」

と俺を軽蔑するように言った。

「貴方、ズームが自分に好意を寄せているのは分かっているんでしょう?」

ベルモットはさらに顔を歪めさせた。

「そうですね。彼女からの好意は嬉しいですよ。仕事の上ではコミュニケーションも大事ですからね」




「そうですねじゃないわよ!」




ベルモットは怒鳴った。
俺はその声に少し驚いたと同時にベルモットの中でそんなにもズームの存在か大きいのかと思った。

「貴方、自分がズームに興味がないと思っているだろうけど私から見ればズームと一緒にいるあなたは……………初恋をした中学生のような顔をしているわよ」

俺はベルモットから目を逸らした。
後ろめたい何かがあった訳では無い。
ただ、今の俺はベルモットと目を合わせることができなかった。

「それなのにあなたはまるでズームに興味が無いのかのように接して、でも突き放しはしない。
貴方、ズームをたぶらかすのもいい加減にして」

俺はベルモットの言葉に少し腹が立った。
ベルモットは佐々木Aの存在を知らないからそんな大口が叩けるのだ。

「あの子は私たちが思っている以上に繊細なの」

そんなことは俺だって知っている。
だから俺はこんなにズームが嫌いなのだから。
ズームは酷く繊細で酷く壊れやすい。
いつこの世からいなくなってもおかしくないそんな人間だ。
だから俺だって近づきたくても近づけない。
だからといって突き放すこともできない。
あぁ、せめて彼女の方から俺を突き放してくれればいいのに。

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(プロフ) - 私の好みドンピシャです!ありがとうございます!更新待ってますね! (2018年3月28日 0時) (レス) id: 056a8fea55 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮(プロフ) - こんな作品待ってたんです!!更新、とっても楽しみにしてます(^O^☆♪ (2018年2月10日 14時) (レス) id: 39bfad530b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:数の子 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年2月8日 19時

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